ルノーのF1エンジン撤退検討「悪い知らせだ」とRBメキーズ、懸念を表明するチーム代表達
Published:
ルノーがF1パワーユニット(PU)開発プロジェクトの終了を検討していると公にしたことを受け、既存のグリッドに着くF1チーム代表者らは、F1に及び得る悪影響などに懸念を示した。
伝統あるF1エンジンサプライヤーのルノーは、ヴィリー=シャティヨンにあるF1エンジン開発拠点のリソースを、傘下のスポーツブランドであるアルピーヌの市販車製品の開発に再配置する方針を明らかにした。
最終決定に向けてルノーは、とりわけ「厳格」なことで知られるフランスの労働法に従う必要があるが、アルピーヌのブルーノ・ファミン前代表は「適切に進まない理由はない」として、「数週間」ほどで一連のプロセスが完了するとの見方を示している。
ルノーの撤退についてRBのローラン・メキーズ代表はスパ・フランコルシャンで、「悪い知らせだ」と語り、「2026年の新しいレギュレーションの主要な目標のひとつが、より多くのOEMを引き付けることだったのは明らかだ」と続けた。
「したがって、もしブルーノが言うように事が進むのであれば、アウディが新たに加わる一方、アルピーヌ(ルノー)が減ることになる。これは良いニュースとは言えない」
「幸いにも今のF1には多くのメーカーが参入しているため、この変化を受け入れることはできると思うが、それでもパワーユニットメーカーを失うことは決して良いニュースではない」
現在のF1にはフェラーリ、メルセデス、ホンダ/レッドブル・パワートレインズ、ルノーがPUメーカーとして参戦している。電動比率が高められ、100%持続可能な燃料が導入される2026年にはアウディが新たにグリッドに着く。
フランス・パリのESTACA(航空自動車工学大学校)に在籍していた1992年にRPM社を起業し、F3の参戦に向けエンジン供給を巡ってルノーと仕事に取り組んだ経験を持つフェラーリのフレデリック・バスール代表は、「ルノーの人々の方が気掛かりだ」と語った。
「彼らとは何年にも渡って関係を持ったため、あの会社のことはよく知っている。私は1992年にルノーとともにキャリアをスタートさせた。ルノーには深い愛着がある。本当に残念だ」
新たな技術規定の導入に合わせてアウディのワークスチームとなるザウバーのアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ代表は、バスールと同じようにルノーの従業員の立場や心境を慮るとともに、F1に負のイメージが付かぬよう、ルノーの撤退はF1が進めている2026年に向けた取り組みを損なうものではないとアピールする必要があると主張した。
「人々は重要だ。彼らに焦点を当てる必要がある。その上で私にとっては、この決定が新しいPU規定や、2026年に向けてF1が歩んでいる方向性とは関係ないように思える」とアルンニ・ブラービは語る。
「PU規定は新規参入メーカーにとって大いに魅力的だ。アウディがその完璧な例だ。自動車業界がF1に関心を関心を寄せているのは新しいレギュレーションのためだ」
「F1は技術の柱であり、未来のモビリティ技術ソリューションの最高のテストベンチだ。したがって、これはルノーの決定とは関係ないと思う。F1として我々は、この点を明確にする必要があると思う」