キタ!マクラーレン、2021年型F1マシン「MCL35M」を世界初公開…メルセデス製エンジン搭載 パパイヤオレンジとブルーを継続

マクラーレンの2021年型F1マシン「MCL35M」全景Courtesy Of McLaren

マクラーレン・レーシングは英国現地2021年2月15日(月)、本拠地マクラーレン・テクノロジー・センターでローンチイベントを行い、2021年シーズンのFIA-F1世界選手権に投じる新車「MCL35M」を世界初公開した。グリッドに並ぶ全10チームの内、新型車両を公開したのはマクラーレンが初。

イベントはランド・ノリスとダニエル・リカルドの登場からスタート。新加入のリカルドに対しては、両親と甥っ子からのスペシャルメッセージが届けられ、CEOのザク・ブラウン、チーム代表のアンドレアス・ザイドルを交えての対談など45分間の”前座”を経て「MCL35M」がアンベイルされた。

ランド・ノリスとダニエル・リカルドが駆る事になる「MCL35M」は、2020年のコンストラクター・ランキング3位をもたらした「MCL35」をレギュレーション変更に対応する形で進化させたもので、冬のオフシーズン中に行われた空力並びにシャシーの開発のアップデートが投入されている。

マクラーレンはロン・デニス体制からの脱却を内外に知らしめるべく、2018年からパパイヤオレンジをメインカラーに据えてきた。これは1960年代に創設者ブルース・マクラーレンが初めて使用したアイコニックな色だ。

MCL35Mのカラーリングは2020年のデザインから微妙に変更が加えられているものの、伝統のパパイヤオレンジにブルーの組み合わせが継続された。

英国ウォーキングのチームは今年、その心臓部をルノーからメルセデスAMGが供給するパワーユニットに切り替えた。スリーポインテッドスターのエンジンを積むのは2014年の「MP4-29」以来の事となる。

搭載される最新スペックの「メルセデスAMG M12 Eパフォーマンス」は、メルセデスのPU開発部門であるメルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズの協力を得てシャシーに統合された。

マクラーレン「MCL35M」技術諸元

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックへの対処の一環としてF1は、コスト削減を目的としてマシン開発に制限を加えた。チームには今シーズンに向けて2つの開発トークンが割り当てられており、この範囲内でアップグレードを行なう。

パワーユニットに切り替えに際してはギアボックスのベルハウジング、冷却システム、電装系など、多くのコンポーネントの再設計が必要となる。ライバルチームが純粋にパフォーマンスを追求できる事を考えると、V6時代最強の称号を持つメルセデスPUへの載せ替えがこれを上回るアドバンテージをもたらすのかどうかが注目される。

また、こうした大掛かりな変更に伴い、マクラーレンはライバルとは異なり国際自動車連盟(FIA)が定めるクラッシュテストを再度受ける必要があったが、プロダクションディレクターを務めるピアース・タインによると、12月の時点で既に車体側のホモロゲーションを取得し、順調に開発を進めてきている。

マクラーレンのザク・ブラウンCEOは「チームの誰もが激しい競争が予想される新シーズンに向けて決意を固めている。チームは強力なマシンを用意すべく、短い冬を通してメルセデスAMGのサポートを得てMCL35Mの開発に取り組んできた。簡単な挑戦ではなかったが、MTCや遠隔地で努力を重ねてくれたすべてのメンバーに感謝したい」と語った。

マクラーレンはフィルミングデイを利用して、16日(火)より英国シルバーストン・サーキットでMCL35Mのシェイクダウンを行う。コスト削減の一環として厳しいテスト制限が課されているF1だが、撮影目的であれば年に2回の走行が許されている。チームはこれを使ってマシンを初めて実地で走らせ、システムチェックを行う。

1ヶ月後の3月12日にはバーレーン・インターナショナル・サーキットで3日間に渡ってプレシーズンテストが行われる。シーズン開幕は3月28日のバーレーンGP。マクラーレンは通算54年目のシーズン開幕を大株主の母国で迎える事になる。

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