マクラーレンF1新車「MCL34」、経営再建を図る曙ブレーキ製システム一式を搭載

マクラーレン・ブランドセンター外観copyright Mclaren

マクラーレンF1チームの2019年型マシン「MCL34」に、埼玉県羽生市に本社を置く自動車部品メーカー「曙ブレーキ工業」のブレーキシステム一式が搭載される事が確定した。ブレーキ・バイ・ワイヤ(BBW)、キャリパー、マスターシリンダーの全てがakebono製となる。

マクラーレンは2007年に曙ブレーキ工業とテクニカルパートナーシップを締結。高いねじれ剛性を持ち、約800度もの高温に耐えるF1専用のアルミニウム製軽量キャリパーを共同開発し、F1世界選手権に投入する歴代のマシンに搭載してきた。

だが曙ブレーキは先月末、事業再生ADR制度を利用して金融機関に支援を要請。12日に発表された2018年4~12月期の連結決算では、最終損益が177億円の赤字に転落した事が明らかとなった。業績悪化に伴いマクラーレンへの供給がストップするのではと懸念されたが、チームは同じ日、新車「MCL34」に同社製ブレーキシステムを採用した事を明らかにした。

モータースポーツファンにとっては安堵の知らせである一方、曙ブレーキ工業側は、事業再生ADR手続の進展如何によっては、経営上の重大な懸念に直面する可能性があるとして”企業存続の不確実性”に言及。シーズンを通して安定供給されるかは不透明な情勢だ。マクラーレンがこれをリスクとみなせば、代替のパートナーを模索する可能性もある。

マクラーレンの新車MCL34は、本拠地の英国ウォーキングで2月14日に開催されるローンチイベントで発表される予定で、発表会の模様は公式サイト他、各種ソーシャルメディアを通じて世界同時配信される。MCL34には曙ブレーキ工業以外にも、静岡県浜松市に本社を置くアルミホイール製造メーカー「ENKEI」や、無線通信機器大手の「KENWOOD」といった日本メーカーの技術が採用される事が明らかとなっている。

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