ルクレール、遺族の苦情を受けジル・ビルヌーブ特別ヘルメットを一旦断念も和解
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シャルル・ルクレール(フェラーリ)はジル・ビルヌーブへの敬意を示したスペシャルヘルメットをF1カナダGPに持ち込み、初日フリー走行1でこれを着用したものの、その後、通常のデザインに差し戻した。
1977年から82年にかけてフェラーリで通算6勝を挙げたカナダの伝説的F1ドライバーは1982年のベルギーGP予選でクラッシュを喫し、32歳という若さでこの世を去った。
初勝利を飾ったF1カナダGPの舞台、イル・ノートルダム・サーキットは彼の没後、ジル・ビルヌーブ・サーキットと改称され、スタートラインには「Salut Gilles(やあ、ジル)」と記されるようになった。
ルクレールは今回、ビルヌーブがかつて使用していたデザインをイメージの源泉としたワンオフヘルメットを持ち込んだ。だが、FP2とウェットコンディションで行われたFP3で被っていたのはオリジナルデザインのヘルメットだった。
英「Sky Sports」はルクレールが事前に使用許可を得ておらず、ビルヌーブの息子にして1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャックを含む遺族から苦情があり、オリジナルに戻したと伝えた。
英「Autosport」によるとジルのヘルメットのデザインは商標登録されていた。そのため、それを模したヘルメットにフェラーリの現在のスポンサーロゴが構成されていた事が問題となり、テレビ解説者として現地にいたジャックからルクレールにその旨の話がなされた。
その後ルクレールは金曜の夕方に、ジルの肖像権を管理するジャックの妹メラニーさんに電話で謝罪。和解を経て、使用の許可を得た。
フェラーリの招待を受け、ゲストとして土曜のイベントに姿を見せたメラニーさんは「シャルルはこの件に関して本当に思いやりを持っていました。私達に異論はありません。素敵なトリビュートだと思います」と語った。
ルクレールは週末に先立ち、ソーシャルメディアの投稿の中で「ジル・ビルヌーブ。彼は信じられないほどのドライバーだった。フェラーリに対する彼の情熱はコース上での走りを見ればすぐに分かるものだった。これはジルがかつて使用していたデザインからインスピレーションを得たスペシャルヘルメットだ」と説明。ヘルメットを披露した。