ニューウェイ、”競業禁止免除”に向け弁護士交渉…レッドブルF1退団発表まもなくか
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競業禁止条項の免除と早期契約解除を巡り、エイドリアン・ニューウェイは弁護士を通して経営陣と交渉を進めており、早ければF1第6戦マイアミGPの開幕を前にレッドブル・レーシングからの退団が発表される見通しだと、英「BBC Sport」が日本時間5月1日(水)、報じた。
チームの最高技術責任者(CTO)を務めるニューウェイとレッドブルとの2025年末までの現行契約には12ヶ月間の競業禁止条項が存在しており、理論的には2027年までライバルチームに移籍できないと見られている。
しかしながら報道によるとニューウェイは、2025年より新天地で新たな職務を始められるよう、弁護士を通してレッドブルと交渉しており、競業禁止条項の免除を含めた早期契約解除で合意に達する見通しだという。
2027年と2025年の違いはニューウェイにとって決定的な違いを意味する。
F1は2026年より次世代パワーユニットを含む新たな技術レギュレーションを導入する。これはシングルシーターの開発基盤が刷新される事を意味する。
2025年の移籍が可能となることでニューウェイは、自身が持つアイデアや、過去に積み上げてきた技術的知識や経験を新しい車両のコンセプトに反映させる事が可能となる。一方で新規定導入後の移籍は一旦定まった開発プロセスへの途中参加となるため、様々な制限に直面する事になる。
マクラーレン時代の1998年や、レッドブル時代の2009年、2022年を含め、稀代の天才デザイナーはこれまで、クルマの基本コンセプトの立案において一際秀でた才覚を発揮し、大幅なレギュレーション変更の度に所属チームを躍進させてきた。
5月1日(水)はアイルトン・セナの没後30周年にあたるため、レッドブル退団の発表は早くとも2日(木)以降となる見通しだ。1994年のF1サンマリノGPで事故死した際にセナが乗っていたウィリアムズFW16はニューウェイが設計を手掛けたマシンだった。
気になる移籍先については様々な憶測が飛んでいる。
マクラーレンとメルセデスは共に、ニューウェイの獲得に興味を示していない。一方でアストンマーチンは巨額オファーを出したと報じられている。
フェラーリはCART時代と1996年、2014年の少なくとも3回に渡ってニューウェイにアプローチしている。最近ではレッドブルとの現行契約が結ばれた2023年シーズンに先立っても接触したと見られており、移籍先の本命と考えられている。