ニキ・ラウダ、闘病生活を語る「ベッテルから愛情に満ちた直筆の手紙をもらった…本当に嬉しかった」

メルセデスの非常勤会長を務めるニキ・ラウダcopyright Mercedez AMG

病気で戦線を離れているメルセデスAMGのニキ・ラウダ非常勤会長は、入院中にライバルチームであるスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルから直筆の手紙を受け取った事を明かした。

F1で3度ワールドチャンピオンを獲得したニキ・ラウダは、8月2日にオーストリアのウィーン総合病院で肺移植手術を受けた。その後1ヶ月近くに渡って集中治療室での治療を余儀なくされたものの、10月24日に無事に退院。現在は毎日6時間ものリハビリ訓練に励んでいる。

「セバスチャンが直筆の手紙を送ってくれたんだ。本当に嬉しかった。ポジティブな言葉が綴られていて、愛情と思いやりに満ちた手紙だった」とラウダ。伊ガゼッタ・デッロ・スポルトのインタビューに対してこのように応えた。

「まさか手紙をもらえるなんてね。想像してなかったよ。普通、ドライバーはそんな事はしないからね。彼は人としても素晴らしい男だよ」

「今年の彼には厳しい場面があったけど、彼がカムバックするのは間違いない。彼はチャンピオンだからね。走り方を忘れたりはしないものさ。これまでのように彼は力強く復活し、来年もまたルイスの前に立ちふさがるはずだ」

今年のチャンピオンシップは最終戦を待たずしてメキシコで決し、ベッテルはまたしても選手権争いでルイス・ハミルトンに敗れ去った。「耐え難いほど辛かった…」その時の心中をこのように明かしながらも、ベッテルは敗北が決まった直後にハミルトンの元を訪れ強く抱擁。さらに、国際映像が捉えていないメルセデスのガレージへ赴き、”敵”であるシルバーアローのエンジニア、チーム関係者の手を握り健闘を讃えた。

ラウダは最終アブダビGPでの現場復帰を目指していたものの、治療のために約3ヶ月間の入院生活を強いられる事となり、ベルギーGP以降のシーズン後半戦全てを欠場した。パドックには見慣れた赤い帽子(ラウダのトレードマーク)はなかったが、ラウダは全てのレースをテレビで観戦していた。

「一戦たりとも見逃すことはなかったし、週末にはガレージに電話をしていたんだ。皆いつも何が起きているのかを私に教えてくれた。一緒にコースにいるような気分だった。これまで長年に渡って一緒に仕事をしてきた彼らの暖かさを改めて知ることになった。良い連中ばかりだ。みんなが私の事を心配してくれていた」

ニュルブルクリンクで開催された1976年のF1ドイツGP、ラウダはクラッシュにより発生した炎に巻かれ生死を彷徨った。燃え盛るマシンから発生した有毒ガスによって肺が損傷。これが原因で現役引退後に腎臓移植手術を受けた。

今回の手術は、びまん性肺胞出血が悪化した事に伴うものであり、当時の事故とは無関係とされるが、ラウダは今回の闘病生活はあの忌まわしき事故以上に苦しいものだったと明かす。

「ドイツGPの事故の際は、たった1か月苦しいだけだった。酷い火傷を負ったものの、あの時はすぐに退院できたんだ。今はもう大丈夫だけど、今回のは本当に長かった」

「非常に厳しい状況だという事は分かってたさ。私に出来ることはただ一つ、戦うことだけだった。専門家の先生方に任せていたから一度も怖いとは思わなかった。私は常に戦い続けてきたし、今もそうしてる」
 

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