メルセデスがコンストラクターズ6連覇を達成、ホンダ勢は4位止まり / F1日本GP《決勝》結果とダイジェスト
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2019シーズンF1世界選手権 第17戦日本GP決勝レースが10月13日(日)に三重県鈴鹿サーキットで行われ、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが後続を11.3秒引き離し、第4戦以来の優勝を果たした。ルイス・ハミルトンがファステストラップを刻み3位に続いた事で、シルバーアローが最終戦を待たずに史上初となるコンストラクターズタイトル6連覇を飾った。
2位表彰台は、ポールからスタートしたフェラーリのセバスチャン・ベッテル。フライングスタートを取られたが、ゲインはないとして、お咎めなしの裁定となった事に助けられた。同じくフロントロウからレースに挑んだシャルル・ルクレールは、1周目にレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとクラッシュ。フェルスタッペンはリタイヤに終わったものの、最後尾転落から6位入賞にまで巻き返した。
お膝元鈴鹿での母国表彰台を目指したホンダエンジン勢であったが、最上位はレッドブルのアレックス・アルボンと一歩届かず。トロロッソ勢は、ダニール・クビアトが12位と入賞目前のチェッカーに終わったものの、ピエール・ガスリーが奮闘。8位入賞を達成した。
中団グループ最上位はマクラーレンのカルロス・サインツ。3強チーム以外で唯一、トップと同一周回でフィニッシュラインを駆け抜けた。
違法と罰則裁定でリザルトが大幅に変動
レーススチュワードはレース後、ルクレールに対して合計15秒の加算ペナルティを科す裁定を下した。トム・クリステンセン、デニス・ディーン、ゲルド・エンザー、淀野泰弘氏の4名からなるスチュワードは、1周目のフェルスタッペンとの接触に関して5秒。この接触によってフロントウイングが破損したにも関わらず、危険な状態での走行を続けたとして10秒。合わせて15秒のタイムペナルティーを科し、ルクレールは、1ポジションダウンの7位へと降格した。
また、本来であれば、鈴鹿での規定周回数は53周だが、誤って1周早くレース終了の合図が出されてしまったとの事で、規約に基づき、52周終了時の順位をリザルトとする発表が行われた。この結果、ファイナルラップのターン2でガスリーと接触し、チェッカー目前にマシンを降りたセルジオ・ペレスがDNFから一転、9位入賞へと変更された。
ルノー勢はダニエル・リカルドが7位、ニコ・ヒュルケンベルグが8位でチェッカーを受け、ミッドフィールダーでダブルTop10フィニッシュを飾ったものの、レース後にレーシングポイントが「ルノーR.S.19には、事前に設定された走行距離数に応じてブレーキバイアスを調整するシステム」が搭載されており違法だと主張。10月23日(水)に公聴会が行われ、FIAはルノーF1チームの2台を失格処分とする事を発表した。
これに伴い、ルノーの鈴鹿でのダブル入賞は幻と消え、ルクレールが6位、ガスリーが7位、ペレスが8位に繰り上がり、入賞圏外のランス・ストロールとダニール・クビアトがぞれぞれ9位と10位に昇格した。
レース概要
前戦ロシアから2週間後の舞台は、世界屈指のドライバーズサーキットと称される鈴鹿サーキット。カレンダー最高との誉れ高き「S字」を始めとして、デグナーや130R、複合カーブのスプーンなど、テクニカルなコーナーが配される。また、ラップ後半にはエンジンパワーが問われる高速セクションが設けられており、エンジニアにとってもドライバーにとってもチャレンジングなコースとして知られる。
決勝は、日本時間13日(日)14時10分にブラックアウトを迎え、1周5807mのコースを53周する事で争われた。台風19号の脅威去った日曜の鈴鹿は晴天に恵まれ、チャンピオンシップを争う決勝のフォーメーションラップは気温21.9℃、路面39.5℃、湿度57.6%、風速6.5m/sのドライコンディションで開始。スタート前には上空をホンダジェットが飛行した。
公式タイヤサプライヤーの伊ピレリは、最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。上位10台はすべて中古のソフトタイヤ、11番手以降はミディアムとソフトでスタートタイヤの選択が分かれた。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、多くのチームはミディアムを第二スティントに投入。複数回のピットを行った。
ワンデーイベントとなった2019年の日本グランプリ。午前中に行われた予選では、ベッテルが1分27秒064のコースレコードを記録してポールを獲得。注目のオープニングラップでは、2006年以来初めて日本GPのフロントローを獲得したフェラーリ2台が大きく遅れ、これを捕らえようと牙を剥いたフェルスタッペンがターン2でルクレールと接触。外側の芝に押し出される格好となり、最後尾にまで転落した。
ルクレールはフロントウィングの翼端板とリアビューミラーを破損。チームからのピット指示を無視して走行を続けたものの、3周目の西ストレートを走行中に、破損したパーツが後続のハミルトンに向かって高速で飛散。ハミルトンが怒りをあらわにする場面があった。ルクレールはその翌周にピットへと入り、フロントウィングを交換した。
接触の一件は、一旦お咎めなしの裁定が下ったものの、レーススチュワードはその後、再び審議の対象とする異例の判断を下した。マシンを大きく損傷したフェルスタッペンは、15周目を終えてピットへと入り、リタイアを選択。スチュワードは、レース後に審議を行うと発表した。
ラップをリードするメルセデス勢は2台で戦略を分け、先頭を走っていたボッタスを2ストッパーとし、17周目にミディアムタイヤに変更。2番手を走行していたハミルトンに対しては、第1スティントを引き伸ばして1ストッパーとする戦略に打って出て、22周目にミディア厶を履かせた。
優勝争いがメルセデスのいずれかのマシンに絞られる中、チームは43周目に、隊列を先導していたハミルトンをピットへと呼び、ソフトタイヤを履かせて3番手でコースに戻した。変則的な2ストッパーへの変更だった。事実上、チームメイトに優勝を明け渡す戦略であったため、レース後のハミルトンは明らかに不満げな素振りを見せた。
6番手にまで巻き返したルクレールはその後、フリーストップを得た48周目にピットへと入りソフトタイヤにチェンジ。フレッシュなタイヤを履いてファステストラップポイントを狙いに出たが、コース上には至る所にトラフィックが発生していた事もあり叶わず、僅か1ポイントという差で、メルセデスに対して鈴鹿での選手権6連覇を許した。
レース最終盤には、2位表彰台を狙ってハミルトンがベッテルを猛追。跳馬はベッテルに対して、強力なエンジンモード「スパーク4」の使用を許可して、ポジションを死守させた。
ファイナルラップでは、入賞圏内を走行していたレーシングポイントのセルジオ・ペレスがターン2でガスリーと接触してクラッシュ。セクター1にイエローフラッグが出された。
2019年F1第17戦日本GP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 77 | ボッタス | メルセデス | 52 | 1:21:46.755 | 25 |
2 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 52 | +13.343s | 18 |
3 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 52 | +13.858s | 16 |
4 | 23 | アルボン | レッドブル | 52 | +59.537s | 12 |
5 | 55 | サインツ | マクラーレン | 52 | +69.101s | 10 |
DQ | 3 | リカルド | ルノー | 51 | +1 lap | 0 |
6 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 51 | +1 lap | 8 |
7 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 51 | +1 lap | 6 |
8 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 51 | +1 lap | 4 |
DQ | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 51 | +1 lap | 0 |
9 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 51 | +1 lap | 2 |
10 | 26 | クビアト | トロロッソ | 51 | +1 lap | 1 |
11 | 4 | ノリス | マクラーレン | 51 | +1 lap | 0 |
12 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 51 | +1 lap | 0 |
13 | 8 | グロージャン | ハース | 51 | +1 lap | 0 |
14 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 51 | +1 lap | 0 |
15 | 20 | マグヌッセン | ハース | 51 | +1 lap | 0 |
16 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 50 | +2 laps | 0 |
17 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 50 | +2 laps | 0 |
NC | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 14 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 21.9℃ |
路面温度 | 39.5℃ |
周回数 | 53 |
セッション概要
グランプリ名 | F1日本GP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | 鈴鹿サーキット |
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設立 | 1962年 |
全長 | 5807m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |