イタリアに特別な想いを持つガスリーとクビアト / Toro Rosso Honda

ファンのサインの求めに応じるトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとダニール・クビアトcopyright Red Bull Content Pool

トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが、2019年FIA F1世界選手権第14戦イタリアGPに先立って抱負を語った。ガスリーは高速のモンツァで最新型スペック4の封を切るため、決勝を最後尾からスタートする事になる。

昨年のレースではブレンドン・ハートレーがオープニングラップで接触。早々に1台を失った。ピエール・ガスリーは苦戦が予想されたモンツァで9番グリッドを手にするも、レース序盤にフェルナンド・アロンソやダニエル・リカルドとの接触によってマシンが破損。ペースが上げられず徐々にポジションを落とす結果となり、15番手でチェッカーを受けた。

F1イタリア出走5回目を迎えるクビアトは、最高成績10位が一度のみと、今ひとつモンツァとの相性が良くないが、MWアーデンから参戦した2013年のGP3シリーズでは優勝を果たしており、決して不得意なわけではない。

トロロッソ・ホンダ:イタリアGPに向けて

ピエール・ガスリーイタリアは僕の生活拠点

あの痛ましい事故から数日が経ったけど、アントワーヌ(ユベール)の事を考えない日はない。今週末は気持ちを切り替えて再び前を向き、レースに全力を尽くすつもりだ。

長い歴史を持つモンツァは僕のお気に入りのサーキットだ。F1マシンで高速サーキットを走るとアドレナリンが止まらない。過去には幾つもの名勝負が繰り広げられたコースだし、僕にとっても得意のトラックだ。競争力がないと思われていたものの、昨シーズンの予選でトップ10に食い込むことが出来た。残念ながらレースは苦しい展開になってしまったけど、とにかく今は今週末を楽しみにしてる。

今回はパワーユニットのアップデートによってグリッドペナルティーを受ける事になる。後方からのスタートだから、プラクティスでは決勝に照準を合わせてセッティングを進め、レースでの巻き返しを目指す事になる。

モンツァはコーナー数が少なくシンプルなレイアウトだけど、トップスピードを確保するために低ダウンフォース仕様のパッケージを使うため、レースそのものは難しい。時速350~360kmからハードブレーキングを繰り返してコーナーへとアプローチするんだけど、アスカリやレズモ、パラボリカといったコーナーではマシンが横滑りしやすく、ドライバーにとっては挑戦しがいがある。

それにモンツァは、スリップストリームでのゲインが大きいため、エキサイティングなバトルが可能になる。イタリアGPはスクーデリア・トロロッソにとっても、イタリアに生活の拠点を移している僕にとってもホームレースだから、是非良い結果を残したい。

ダニール・クビアト人生の半分をイタリアで生きてきた

レースに関しては後方スタートからのスタートだったものの、7位でフィニッシュできたとは言え、(ユベールの死亡事故があったため)スパでの週末はレース関係者すべてにとって本当に辛いものだった。モンツァはスパと同じパワーサーキットだから、今回も好成績を期待している。

イタリアGPはチームにとっての母国レースであると共に、人生の大半をイタリアで過ごしてきた僕にとっても重要な一戦だ。11歳の頃からイタリアに住み、学校に通いながらカートチームに所属していたんだ。20歳になるまでの10年間をイタリアで生活していたから、友人もたくさんいるし、人生の大半をここで過ごしたと言って良いだろう。

昨年もフェラーリで仕事をしていたし、僕にとってイタリアは大きな意味を持つ場所なんだ。

当時まだ子供だった僕にとって、イタリア行きは冒険だった。ロシアとは違って、イタリアでは毎週のようにカートレースが行われており、レーサーになるという夢を叶えるためには、イタリアに行く事が絶対に必要だったんだ。大きな決断だったけど、両親が代わる代わるイタリアに来て面倒を見てくれた。

F1ではモンツァで良い成績を収められていなけど、ジュニア時代には何度も優勝しているし、走り甲斐のあるコーナーがあるし、僕の好きなサーキットだ。スパを走り終えて、まだまだ上位で戦えると確信しているし、新しいパワーユニットがそれを手助けしてくれるはずだ。シケイン、レズモ、そしてパラボリカに代表される高速コーナーを如何に攻略するかが、ラップタイムのカギになる。コーナー数が少ない分、そのすべてが重要なんだ。


イタリアGPの戦いの舞台となるのは超高速のモンツァ・サーキット。全長5.793kmのコースには4本のロングストレートが存在し、エンジン全開率は80%を超え、最高速は362.5km/h、平均速度は243km/hにも達する。

昨年のグランプリでは、フェラーリのキミ・ライコネンがポールポジションを獲得するも、メルセデスがピット戦略でブラフをかけ、予選3番グリッドのルイス・ハミルトンが逆転優勝を果たした。

F1イタリアGPは、日本時間9月6日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。

F1イタリアGP特集

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