角田裕毅、思わず溜め息「何かが欠けている」新スペック車両に疑念…今季4回目のQ1敗退
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ドライブするのが難しいクルマでは、緻密なドライビングが求められるモンツァで結果を残すことは難しい…8月31日のF1イタリアGP予選でQ1敗退を喫した角田裕毅(RBフォーミュラ1)は思わず溜め息をついた。
Q3進出は逃したものの、旧スペックのVCARB 01をドライブしたダニエル・リカルドは、予選最終ラウンドまで僅か1000分の68秒の12番手タイムを刻んで健闘した。
一方で、フロアボディを主軸とした幾つかのアップグレードが施された新スペック車両をドライブした角田裕毅は、15番手で突破したリカルドに0.044秒及ばず今季4回目のQ1敗退を喫した。
無線を通してノックアウトの事実を知らされると「ドライブするのが難しくて話にならない!」とクルマに対する苛立ちをあらわにした。
予選を経て、無線での内容に触れて、アップグレードされたVCARB 01をドライブするのはどれくらい難しかったのか?との質問に対して角田裕毅は「そうですね…かなり難しかったです…かなりですね」と答えた。
「週末を通してドライブするのが大変な状況が続いているので、その原因を突き止める必要があります」
「前とのギャップを縮めることはできましたが、FP1の最初の段階からかなりの遅れを取っていましたし、(改修にもかかわらず)ここは今も独特なコースですし、2台のクルマで違いがありますし、学ぶべきこと、理解すべきことが山積みです」
車両パフォーマンス部門のチーフエンジニアを務めるクラウディオ・バレストリによると、2日目に向けてRBは夜通しでセットアップ変更に取り組み、2台のクルマのダウンフォース・レベルを調整した。これは一定程度の成果をもたらしたが、Q3を可能にするものではなかった。
クルマはさておき、モンツァでの予選それ自体はどうだったのか? クルマの問題を差し引いても難しかったのだろうか?
角田裕毅はため息をつきながら「いえ…それほど大変だったとは思っていません。兎に角、タイムを失っているような感じで、何かが欠けているのだと思います」と答えた。
4本のストレートがコーナーで連結されたモンツァのレイアウトは一見、単純に見えるが、クルマのダウンフォースが限界まで削られているため、ただでさえドライブするのは難しい。
タイムアップのためには、3つのシケインで可能な限り速度を落とさず、コーナー出口で確実にトラクションをかけて走り抜く必要がある。これには縁石を上手く使う事が必要となるが、そのためには縁石の上でも安定するクルマが求められる。
モンツァについて角田裕毅は、ドライビングの正確さが要求されると説明した。
「他のコースとは異なり、単にコーナーのエントリーで攻めればよいというわけではなく、その後に続くストレートのことを考えなければならず、モンツァはすごく難しいコースで、それがラップタイムに大きく影響するので正確さが求められます」
正確なドライビングのためには、ドライバーの意のままに動作するクルマが必要だ。角田裕毅は、予選でドライバーとして100%完璧な仕事ができたとは考えていないが、それだけが今回の成績不振の原因ではないとの見方を示した。
「自分のラップにはかなり満足しています。もちろん凄く満足しているわけではありませんが。ただ、原因はそれだけではないように思います」と角田裕毅は付け加えた。
2024年F1イタリアGP予選ではランド・ノリスがポールポジションを獲得。2番手にオスカー・ピアストリが続き、マクラーレンがフロントロウを独占した。
決勝レースは日本時間9月1日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5,793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。