これがベテランと新人の違い…デビュー17年目のライコネンと、目を輝かせるテスト初参加のマルケロフ
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テストセッションに臨むドライバーのスタンスは、各々かなり異なる。規約により若手の登用が義務付けられた公式合同テストには多くの新人が参加する傍ら、デビューから17年が経過するキミ・ライコネンのようなベテランも同じコースでマシンを走らせる。
8月1日水曜に行われたF1ハンガリー合同テスト2日目を終えたライコネンは、いつもと変わらぬ様子で一言のみ感想を述べた。「結局のところ、グランプリの金曜日とさほど変わらない。色んな事を試すという意味でのテストなわけで、ラップタイムにはあまり意味がないしね」
スクーデリア・フェラーリのこの日のプログラムは、5種類のコンパウンド毎に最適なセットアップを探る作業に費やされた。ライコネンは淡々と走行を続け全11台中最多の131周を走破。ハイパーソフトタイヤで1分15秒649を刻んだものの、メルセデスのジョージ・ラッセルに0.074秒及ばずタイムシート最上位を逃した。
これまでに数え切れぬ程のテストを走行を重ねてきたグリッド最年長38歳のライコネンに対し、この日ルノーR.S.18のステアリングを託された23歳アルテム・マルケロフはF1マシン初体験のデビューデイ。将来のF1デビューを目指すロシアの若者は、目を輝かせてセッションを振り返った。
© Renault / ルノーからF1ハンガリーテストに参加したアルテム・マルケロフ
「ルノーR.S.18をドライブするのは今日が初めてだったんだけど、本当にすごい経験になったよ。チャンスをくれたチームに心からお礼を言わなきゃね。ちゃんとスピードを出して走れるようにするために、まずはバランスのセッティングを合わせるところから取り組んで、その後はハイパーソフトタイヤを含む様々なタイヤを履いて走ってみたんだ」
「いつも慣れ親しんでるF2のマシンとは、ダウンフォースやブレーキングが全然違うんだけど、楽しんで走ることが出来たし興味深い経験をすることができた。走行を重ねて時間が経つにつれ自信もついてきたから、もし今後マシンをドライブするチャンスがもらえたら、その際は走行毎にどんどん速く走れるような気がするよ」
マルケロフはハイパーソフトタイヤを履きライコネンから2.847秒落ちの8番手タイムを記録。チームへの感謝を伝えながらも、またチャンスが貰えればもっと上手くやれるよとアピールするなど、初々しく数多くを語ったマルケロフに対して、一言のみ「ラップタイムには意味がない」と語ったライコネン。両者の対照的なコメントに、性格の違いと言うよりも、むしろ17年という年月の流れを感じたテスト2日目であった。