ニコ・ヒュルケンベルグ、2021年はメルセデス及びアストンマーチンのリザーブを兼任
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元F1ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグは今年、メルセデス及びアストンマーチンのWリザーブドライバーとして各グランプリに帯同し、テレビ解説の仕事と並行して不測の事態に備える。
ヒュルケンベルグは一昨年を以てルノーとの解約が解除されF1シートを喪失したものの、セルジオ・ペレスとランス・ストロールが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した事で急遽レーシングポイントで代役を務め、計3回のグランプリでステアリングを握った。
母国レースとなったアイフェルGPでは、予選開始わずか4時間前に代役の打診を受けながらも、決勝で8位入賞を飾る殊勲の走りを披露し、パドックと世界のモータースポーツファンの喝采を浴びた。
ヒュルケンベルグはバーレーンでのオープニングレースを前に、自身が解説を務める「ServusTV」の中で、メルセデス及びアストンマーチンとの契約がまとまった事を明らかにした。ただし「幾つかのレースで」と述べており、メルセデスとの契約は全戦を対象としたものではないようだ。
英国ブラックリーのチームはF1公式リザーブドライバーとしてストフェル・バンドーン及びニック・デ・ブリースと契約を結んでいるものの、両者はメルセデスのフォーミュラEファクトリー・ドライバーであり、レースがバッティングするF1スペインGP(5月7-9日)、F1モナコGP(5月23日)、そしてF1アゼルバイジャンGP(6月6日)では職務を遂行する事ができない。
仮にこれら3回の週末にルイス・ハミルトン、あるいはバルテリ・ボッタスのいずれかが欠場を強いられたとしても、昨年末のサクヒールGPのように、育成傘下のジョージ・ラッセルをウィリアムズから呼び戻す事も可能だろうが、いずれかではなく両方が同時に参加できなくなる状況に陥ればチャンピオンシップに挽回不能の傷を負う可能性が高い。
変異株が猛威を振るうなど、COVID-19の世界的流行は依然として収束の兆しが見えず、今シーズンもレギュラードライバーが急遽自宅待機を強いられる可能性が十分にあるだけに、ヒュルケンベルグが再びコックピットに座る可能性は決して小さくはない。