アルファタウリAT02 進化の7割はホンダ新型エンジン由来、とトスト代表…レッドブルのタイトル獲得を望む
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ピエール・ガスリーが戦線離脱を強いられた事で、開幕戦でのリザルトはアルファタウリ・ホンダAT02の真のポテンシャルを表すものとはならなかったが、予選でのパフォーマンスを見ても、ファエンツァのチームが今季最大のダークホースである可能性は高い。
コスト削減の観点から、今季レギュレーションはメカニカルコンポーネントの大部分の開発を凍結しているため、チームは新車開発において主に空力面でのパフォーマンス改善に取り組み、これにホンダの最新パワーユニット「RA621H」を搭載した。
非力なパワーユニットの改善によってパフォーマンスレベルを大きく引き上げたフェラーリエンジン勢を除けば、開幕バーレーンGPのデータはアルファタウリ・ホンダがシニアチームのレッドブルに次ぐ2番目の大幅改善を達成した事を示唆している。
アルファタウリ・ホンダを大きく進化させた要素は何なのか? チーム代表を務めるフランツ・トストは、2021年型F1マシンの改善の7割はホンダPUによるものだと考えている。
この冬、チームは何を変え、その改善はどこから来たのか? 母国レースとなるイモラでの第2戦を前に、SPEEDWEEKとのインタビューでこの様に問われたフランツ・トスト代表は次のように答えた。
「シャシーは少しずつ進化しているが、主なアドバンテージはホンダの強力なエンジンにある。改善の70%は日本製エンジン、30%はシャシー由来だと考えている」
同じ”新骨格”のホンダPUを搭載するのはアルファタウリだけではない。シニアチームのレッドブルは1発の速さでもレースペースでもメルセデスを凌駕するパフォーマンスを示していた。
今年のワールドチャンピオンを予想するよう求められたフランツ・トスト代表は「マックス・フェルスタッペンがワールドチャンピオンになってくれたら本当に嬉しい。レッドブル・ホンダは今回、絶好のチャンスを掴んでいる」と返した。
アルファタウリ・ホンダは開幕バーレーンGPで、ガスリーが5番グリッドという好位置を確保したものの、レース序盤の接触によってフロントウイングが脱落。更に、ニキータ・マゼピンのクラッシュに伴うセーフティーカー導入によってミディアムタイヤが冷えた事もあり、早期の戦線離脱を強いられた。
角田裕毅に関しては、フランツ・トスト代表曰く「タイヤ選択を誤った」事で予選Q2敗退を喫するも、レースでは「完璧なドライビング」を披露して、日本人初となるデビュー戦での9位入賞を果たした。
角田裕毅のポテンシャルについてフランツ・トスト代表は「彼の潜在能力は本当に大きい。そのスピードは非常に速くブレーキングも力強いし、コーナリングも上手い」と評し、「好奇心旺盛で、学習能力も高い」と付け加えた。
また、シーズンを通しての目標については「予選で頻繁にQ3に進出してレースでポイントを獲得し、コンストラクターズランキングで5位に入る事だ」と語り、マクラーレン、フェラーリ、アルピーヌ、アルファロメオが直接のライバルになるとの考えを示した。
チーム代表としての16シーズン目を迎えた今年は史上最多となる23戦が予定されている。疲れはないか?と問われたフランツ・トスト代表は次のように返した。
「レースは嫌いじゃない。もっとあっても良い。すべてはマシンの競争力次第だ。好調ならば全てが楽しく、疲れを感じる事はない」