ハミルトンの「振る舞い」がマシ解任に繋がった、とレッドブル顧問
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レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の「振る舞い」がF1レースディレクターのマイケル・マシの解任に繋がったと考えている。
ファイナルラップでの劇的な敗北以来、オフシーズン中は英国メディアを中心に7度のF1王者の将来に関して様々な憶測が飛び交った。メルセデスもまた、ハミルトンが現役から引退する可能性があるとの噂を煽った。
当初からハミルトンがF1から去る事はないと断言していた78歳のオーストリア人はその理由について、独RTLとのインタビューの中で「ドライバー・マーケットに全く動きがなかった。それはハミルトンが辞めないという明確な兆候だった」と説明した。
「もしハミルトンがメルセデスに退くと伝えていれば、彼らは一斉に後釜を探し始めただろうが、そうはならなかった。目立った動きは何もなかった」
37歳のイギリス人ドライバーは、決戦の3日後にウィンザー城で行われたナイト爵位の授与式に出席する一方、規則で定められたFIA授賞式を欠席。シーズンファイナルを最後に何らの説明もなくSNSやメディアから忽然と姿を消し、そして執拗に沈黙を保ち続けた。
マルコは「沈黙を守ることで状況や決断に不満を示したかったのだろう。そしてこのような行動が後にマシの解任にも繋がった」と述べ、レース後に取ったハミルトンの行動が国際自動車連盟(FIA)への解任圧力の一つになったとの考えを示した。
モハメド・ベン・スレイエムFIA会長はセーフティーカー解除を巡るアブダビの調査結果を受け、マシの解任と合わせて、FIA世界耐久選手権(WEC)やDTMで審判を務めてきた事で知られるエドワルド・フレイタスとニールス・ヴィティヒの2名が交代制で今季のF1レースディレクターを務める事を発表した。
更に、レースディレクターへのサポート体制を大幅に拡充し、ベテランのハービー・ブラッシュが常任上級顧問として補佐役を務め、意思決定支援のために「バーチャル・レース・コントロール・ルーム」がFIAオフィスの一角に設置される事が決まった。
マックス・フェルスタッペン同様、マルコもマシが「犠牲」になったと考えており、「もしマシが今後の導入が決まったVARやアドバイザーなどのリソースを使えたならば、彼はもっと容易く決断を下す事ができただろう」と付け加えた。
「これ(解任)は正しい決断ではないと思う。彼(マシ)の長年に渡る仕事ぶりをみなければならない」