契約交渉を先延ばしにするハミルトン「もう3年メルセデスと一緒にいたいかどうか分からない」
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7度目の世界タイトル獲得に向けて順調に戦いを進めているルイス・ハミルトンは、曰く今季末限りで満了を迎えるメルセデスとの延長交渉を未だ行っておらず、自身が今後向こう3年に渡って英国ブラックリーのチームに留まる事を望んでいるか「分からない」としている。
チームメイトのバルテリ・ボッタスは既にチームとの1年の契約更新を済ませ、メルセデスでの5シーズン目を確保しているものの、ハミルトンの来季の予定は決まっていない。ハミルトンはこれまで、メルセデスとの間で3年契約を2度延長した後、2018年に2年の契約延長にサインしている。
ハミルトンは来年の1月に36歳の誕生日を迎える事になるが、前戦ニュルブルクリンクではミハエル・シューマッハが保持する史上最多記録91勝に並ぶなど、力の衰えを感じさせる事なく、自らの市場価値を維持し続けているように見える。
現在の契約は年6,000万ドル(約66億1,302万円)と見られているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の影響でダイムラーを含む自動車業界は大打撃を受け、チームもまた少なくない財政的損害を被っており、年齢を考えればこれ以上のパフォーマンスを期待する事は現実的ではなく、年俸ダウンは避けられそうにない。
F1第12戦ポルトガルGPの木曜記者会見の中でハミルトンは、契約交渉の遅れについて「時代背景が大きく関係しているのは確かだ」として、世界情勢の影響を認めた。
「ここに残りたいと思っているけど、僕はまだ何も決めていない。最初に(メルセデスとの)交渉の席に着いた時もその後も、それ(交渉のテーブルに乗る契約期間)は大抵の場合、3年という期間だったけど、今や僕らは別の時代に突入した」
ハミルトンは2022年に導入される新たな空力レギュレーションへの興味を認めながらも、自身がメルセデスとの間で3年の契約延長にサインして2023年末まで共に旅路を歩みたいかどうかについて確信が持てていない。
「今後3年間に渡って僕自身が(メルセデスと)続けたいと思っているかどうかも疑問だ。まだ答えが出ない疑問がたくさんある。それに2022年には次世代のマシンが導入される」とハミルトンは語る。メルセデスが新時代でも現在と同等レベルの高い競争力を発揮できるかどうかは不透明だ。
ハミルトンは、契約更新は「形式的」なものになるだろうとしながらも、契約交渉は「今の最優先事項ではない」として、2020年のチャンピオンシップが決まるまで将来と向き合うつもりはないとした。
ただし「他のチームとは話し合いをしていないし、話し合うつもりもない」として、メルセデス以外との契約の可能性を除外し、時が満ちた時にトト・ウォルフ代表と共に、今後の道筋を考える意向を示した。