速さなく後方に沈んだトロロッソ・ホンダ、有望なレースペースで巻き返し目指す

トロロッソSTR13のノーズにプリントされたホンダのロゴcopyright Honda

F1ドイツGP公式予選に挑んだトロロッソ・ホンダは、ピエール・ガスリーが0.041秒差でQ2進出を逃し17番手、チームメイトのブレンドン・ハートレーが18番手と、2台揃ってのQ1敗退という非常に厳しい結果に終わった。

グランプリ2日目を迎えたホッケンハイムリンクは朝から厚い雲に覆われ、気温は20℃と低く、時折り雨がコースを濡らした。FP3の開始前には激しい降雨があり、予選前最後のプラクティスはウエットコンディションとなった。雨のために大半の時間をガレージで過ごした後、セッション終盤に2台でコースイン。セッティングの確認のために5周を走りセッションを終えた。

雨はFP3終了後に止み、予選開始時刻の午後3時にはドライコンディションに回復した。Q1に臨んだガスリーは早々に1回目のアタックを行い1分14秒420をマーク。続いてハートレーが14秒670を記録し、両名ともに前日のベストタイムを更新した。

Q1突破をかけて挑んだ2回目のアタックではガスリーが13秒749、ハートレーが14秒045と共に自らのタイムを塗り替えたが、15番手タイムのセルゲイ・シロトキン(Williams)には僅かに届かずノックアウトを喫する事となった。

セッションを振り返ったホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターは「非常に残念な結果」と述べた上で、エンジンとシャシーを含めたパッケージ全体の改善が必要との認識を示した。17番手に終わったガスリーは、自分達のマシンパフォーマンスが停滞している一方で、直近のライバルチームのマシンが軒並み改善を果たしているため、相対的にSTR13の競争力が低下していると嘆いた。

ガスリーに0.296秒届かず、対チームメイト今季予選成績を3勝6敗としたハートレーは楽観的だった。マシンを降りたハートレーは、リザルトには失望しているものの、燃料を積んだ状態でのSTR13のペースは中団グループの中でもトップレベルだと語り、日曜の決勝に向けて意気込みを新たにした。

スクーデリア・トロロッソのレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズもハートレーと同じ様に前向きな姿勢を見せた。エドルズは、直近のライバルと比べて有望なレースペース、タイヤマネジメントの2つを理由に上げ、決勝で巻き返せない理由は何処にもないと前を向いた。

F1ドイツGP予選を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

土曜午前の最終プラクティスはウエットコンディションとなってしまったため、ドライが予想されている日曜の決勝を考えればあまり有益とは言えず、また、予選に向けての準備という点でも好ましいものとは言えませんでした。ただし、それはどのチームにとっても同じですし、言い訳にはなりません。

予選結果は非常に残念なものとなってしまいました。この状況を立て直すためにチームとともに早急に分析を行い、エンジンとシャシーを含めたパッケージ全体の改善に向けて全員で懸命に努力する必要があると感じています。

ピエール・ガスリー予選: 17位, FP3: 5位

こんなにも早くノックアウトするなんて本当に悔しいよ。セッション中に雨が降ることを望んでたんだけど、残念ながらそうはならなかった。ライバルが改善している中で僕らは求めてるようなステップアップが出来てないから、現時点では僕らにとってかなり厳しい。キャッチアップするために全力で作業に取り組む必要がある。

チームがベストを尽くして仕事に取り組んでいるのは分かってるけど、未だにペース不足に苦しんでる。今日はQ2に進出するのは簡単じゃないだろうなって思ってたけど、最終的に100分の4秒差で逃してしまった。とは言え、昨日の僕らのラップタイムを考えれば、レースペースはコンペティティブだから、今夜は明日に向けて良い戦略を導き出せるよう願ってる。

もちろん幾らかの運が必要ではあるけど何事も可能だし、出来る限りポジションを挽回できるように全力を尽くすつもりだよ。

ブレンドン・ハートレー予選: 18位, FP3: 6位

今日はQ2に進めなくてちょっとガッカリだよ。セッションそのものは比較的順調で最初のラップは良かったから、セッション終盤に1周のアタックをする事にしたんだ。路面のインプルーブメントを考えれば、結果的には2周にした方が良かったね。それに、今日はウルトラソフトでのペースが不足してた。

ポジティブな面に目を向けると、僕らのロングランペースはかなり競争力がある。レースシミュレーションでは、僕らは中団グループの中で最速のマシンの一つだったからね。

ジョナサン・エドルズチーフレースエンジニア

昨日のセッションで幾つかの弱点が明らかになったため、FP3と予選に向けてタイヤの扱い方とマシンへの変更を計画していたのだが、残念ながらセッション中に雨が降ってしまい、ドライ用のセットアップを試せす事ができなかった。

かなり強い雨だったので理想的な走行はできなかったけど、予選がウェットになる可能性があったから、セッション終盤に何周か走りマシンバランスを確認できた点は良かった。クルマがちゃんとウインドウに入ってるかどうかを確かめたかったんだ。

両方のマシンともにバランスが良く、二人のドライバーもかなり満足した状態で予選に臨んだんだが、残念なことに今日の我々には真っ当なペースがなかった。タイムシートが示しているように、ミッドフィールドは今回も大接戦となっており、0.5秒の違いが結果を大きく左右するような状況だった。

昨日のロングランペースはかなり速かったし、通常我々はレースでライバルよりも上手くタイヤをマネジメントできているから、明日の決勝レースをポジティブに捉えない理由は何処にもない。後方からのスタートなので数多くのオーバーテイクが必要だ。難しい事は分かっているが、どんな事も起こりうる。

明日、最高の結果を得るために必要なものを見いだすために、今夜はあらゆる戦略の選択肢を検討するつもりだよ。


ポールポジションはスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。母国レースのポイントリーダーが1分11秒212のコースレコードを記録し最前列を手に入れた。2番手はメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。3番手はキミ・ライコネンという結果となった。

2018年F1第11戦ドイツグランプリ決勝レースは、日本時間7月22日(日)22時10分から行われ、1周4574mのホッケンハイムリンクを67周する事で勝敗を決する。

F1ドイツGP特集

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