オコンの離脱「何の影響もない」とガスリー、アルピーヌ残留か移籍か…交渉状況とカナダGPの見通し

アルバート・パーク・サーキットでマイクを握るピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2024年F1オーストラリアGPCourtesy Of Alpine Racing

僚友エステバン・オコンが2024年末でアルピーヌを去る事は、2025年以降のキャリアに向けた自身の計画や状況に一切、影響しないとピエール・ガスリー(アルピーヌ)は言う。

2024年末で現行契約が満了を迎えるガスリーのマネジメントは、ウィリアムズを含む他のチームと接触しているとされる。

しかしながらオコンの離脱が確定した現状、アルピーヌが28歳のフランス人ドライバーとの3季目以降を熱望していないとは考えにくく、ガスリーは好条件での契約更新に向けて優位な立場にあるように見える。

規定変更に伴い車体が刷新され、現在の序列が一変するであろう2026年に向けて、ドライバーラインナップに継続性を持たせたいと考えるのは、セルジオ・ペレスと2年の契約延長に合意したレッドブルに限った話ではないだろう。

モナコでのガスリーへの衝突事故を経てアルピーヌは、オコンが今シーズン末を以てチームを去ると発表した。

この決定はアルピーヌ残留の可能性を高め得るものと言えるが、F1第9戦カナダGPを前にガスリーは「正直に言って、何の影響もない」と説明し、「今のところ、僕の将来について特に発表することはない。いずれ、その時が来たら、分かるよ」と付け加えた。

具体的なチーム名はさておき、新たな契約の見通しは立っているのだろうか? デッドラインはあるのだろうか? 最優先事項はエンストンのチームとの契約延長なのだろうか?

この点についてガスリーは「特に期限はない。今のマーケットはかなりオープンで、誰もが掴み得るチャンスを把握している」と説明し、選択肢は幅広いと仄めかした。

「今はあまり突っ込んで話をしたくないけど、すべて順調だし、話し合いも進んでいる。これについては以上だ」

カナダGPのFP1ではリザーブ・ドライバーのジャック・ドゥーハンがA524をドライブするが、FP2以降はオコンがシートに座る。

シーズンの残り16戦でモナコと同じ過ちが再び起きぬよう、懲罰を伴う新たなルールを設けるなど、チームはカナダでの週末に向けて何らかの対策を施したと考えられるが、ガスリーはこれについて具体的な言及を避け「今後は同じ問題が発生しないと確信してる」と述べるに留めた。

またオコンについては、何をどう話そうとも注目されるのは必至であり、不必要な反応を招く恐れがあるとして、暫くの間を置いて「エステバンと僕との間には長い歴史がある」と切り出した。

「僕らは過去1年半を通して仕事に取り組んできた。プロとしてね。僕としては、この点を指摘しておくべきだと思う」

「お互いに競争心に溢れるドライバーだから分かると思うけど、それはいつだって容易なことじゃなかった。でもこれまでの経緯を考えると良い関係だったと思う」

重量過多とパワー不足を含む数々の問題により、シーズン序盤こそ後方争いに沈み続けたA524だが、軽量化とアップグレードを得て徐々にミッドフィールド中盤から上位を争うに足るパフォーマンスを発揮し始めており、前戦モナコでガスリーは今季初のポイントを獲得した。

ジル・ビルヌーブ・サーキットとモンテカルロ市街地コースは平均速度やストレートの数、長さにおいて相違があるが、コーナーや縁石への対応といった幾つかの点ではモナコとの類似性が認められる。

カナダでの見通しについてガスリーは「自分達がまだ少し劣勢にあることは自覚してるし、このクルマのコンセプトにどうアプローチするかを再考しているところだから、今は持てる力を最大限に引き出す事に主眼を置いている」と語る。

「ここでのレースでは何が起きてもおかしくないから、今回もベストを尽くすつもりだ。僕らはトップ10の後方でポイント争いをしている状況だけど、モナコでのパフォーマンスを再現できる位置にいることを願ってる」


F1カナダGPは日本時間6月7日(金)26時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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