ピエール・ガスリー、マグヌッセンの危険なドライビングに激怒「キャリア史上最悪に危険なドライバー」
Published:
F1アゼルバイジャンGPの決勝レースを12位で終えたトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは、ハースのケビン・マグヌッセンを「キャリア史上最悪に危険なドライバー」と評し、デンマーク人レーサーの非情なドライビングに激怒した。
ガスリーとマグヌッセンはレース最終盤のセーフティーカーからのリスタート時に交錯。時速300kmを超える超高速のホームストレート上で大クラッシュ寸前の接触事故に見舞われ、ガスリーはマシンに重大なダメージを負う事となった。最終的に12位完走を果たしたガスリーだが、マグヌッセンとのインシデントさえなければポイント獲得は可能だったと主張。妨害に憤りを隠さない。
「ケビンは、これまでレースをしてきたドライバーの中で一番危険なドライバーだよ。リスタート後の300km/hのハイスピード下で、アイツは僕をウオールに追いやったんだ。どんなに悪くともリスタートの時のポジションだった10位でチェッカーを受けれたはずなのに」
「第一セーフティカーラインの手前で彼をオーバーテイクし横に出たんだけど、ちょうどそのタイミングでウオールに追い込んできたんだ。両方のフロントタイヤが宙に浮いて右側のミラーも壊され、ステアリングも曲げられてしまった。その後は生き残るのに必死だったよ」
ガスリーはマグヌッセンに対して半ば諦めているようで、この一件について当人と話し合うつもりはないと言う。「正直に言うけど、何にも気にしちゃいないよ。安全という観点で言っても時速300kmだよ?アイツはいつもこんな感じなんだからね。レーシングドライバーが激しいレースをするのは気にしないけど、今回のようなやり方は度を超えてるよ。時速300kmで他の誰かをウオールに追いやるなんて」
この一件は審議の対象となり、スチュワードはマグヌッセンの責任を認め、10秒ペナルティーとスーパーライセンスへのペナルティポイントを2点加算した。だが、ガスリーはこの処分が軽いと主張。ライセンス停止の半分に相当する6点が科せられるべきだと強く抗議した。規約では、ペナルティポイント12点で1戦の出走停止処分が科せられる事になっている。
マグヌッセンのドライビングに対しては、過去様々なドライバーの批判の的となっており、糾弾されるのはこれが初めてではない。昨年のマレーシアGPでは2度のF1ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソの怒りを買い、過去にマグヌッセンの運転を批判したニコ・ヒュルケンベルグの判断は正しかったと同意を示した。
ただし、今回の件についてはマグヌッセン側にも言い分があるようだ。マグヌッセンはレース序盤にマーカス・エリクソン(Sauber)と接触、車にダメージを負っていた。「マシンのバイブレーションが酷く、ミラーが振動して全く何も見えなかったんだ。あれは一瞬の出来事で、19コーナーのところで気づいたら僕の隣にガスリーがいたんだ。最悪の結末よ。セーフティカーの後、ポジションを守るのがかなり難しい事は分かってた。タイヤがロックしてしまい、何も出来なかったんだ」