ハミルトンが今季6勝目、ホンダ勢は3台が入賞圏外でフィニッシュ / F1フランスGP《決勝》結果とダイジェスト

Published：2019/6/24 00:21

2019シーズンFIA F1世界選手権 第8戦フランスGP決勝レースが6月23日に行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが、2位バルテリ・ボッタスを18秒引き離してポール・トゥ・ウイン。4戦連続となる今季6勝目を挙げた。3位表彰台にはスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが続き、予選TOP3がそのまま表彰台に上がった。

ホンダエンジン勢は、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが4位入賞を果たした一方、トップ10圏内からスタートしたピエール・ガスリーは順位を落とし11位。トロロッソ勢はダニール・クビアトが14位、アレックス・アルボンが15位止まりとなった。

だが、ファイナルラップで発生した2件のインシデントについてスチュワードは、7位フィニッシュしたルノーのダニエル・リカルドに非があると判断。レース後にペナルティを科したため、リカルドはポイント圏内の11位へと転落し、キミ・ライコネン（Alfa Romeo）が7位、ニコ・ヒュルケンベルグ（Renault）が8位、ランド・ノリス（Mclaren）が9位、そしてガスリーが10位に繰り上がった。

リカルド、入賞圏外に転落するも「自身に後悔なし」

7番手からスタートしたセバスチャン・ベッテルは、堅実な仕事でポジションを巻き返し5位チェッカーを受けた。ミッドフィールド最速はマクラーレンのカルロス・サインツ。3強チームに次ぐ6位入賞を果たした。

サインツの僚友ランド・ノリスはレース終盤に油圧系統全般にトラブルを抱え、マシンコントロールがままならない状態に。その結果、最終周にルノー勢2台とアルファロメオのキミ・ライコネンにゴボウ抜きにされ、10位でフィニッシュした。世界中のファンは苦境の中での巧みなドライビングを称賛。ノリスをドライバー・オブ・ザ・デイに選出した。

母国レースとなったルノー勢は、リカルドがドリンクシステムに問題を抱え水分補給が出来ない状況の中で奮闘し7位フィニッシュを果たすも、ペナルティのために11位へ後退。旧スペックエンジンで戦った僚友ヒュルケンベルグは9位フィニッシュの最終8位。地元でのダブルポイントを逃す結果となった。

コース脇にウォールがなく、重大なアクシデントが起こりにくいレイアウトという事もあり、セーフティカーは一度も導入されなかったが、残り3周というところで、アルボンがコース上の黄色のボラードを破損。これがレーシングライン上に転がり落ちたため、回収のためにバーチャルセーフティカー（VSC）がコールされた。

リタイヤは一台。15番手を走行していたハースのロマン・グロージャンが、残り5周というところでガレージにマシンを入れた。チームメイトのケビン・マグヌッセンは17位で完走した。

前戦カナダから2週間後に行われた第8戦の舞台は、2年連続16回目のグランプリ開催を迎えたポール・リカール・サーキット。ロングストレートに加えて高速・低速コーナーがバランスよく配置されたレイアウトを持ち、オーバーテイクの機会も多く、エンジンパワーと車体性能の両方が試される。名物のターン10「シーニュ」は、ストレート後に時速300km超の全開で回る超高速コーナー。タイヤとドライバーに大きな試練を課す。

決勝は日本時間23日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、15コーナー、1周5842mのコースを53周する事で争われた。現地ル・カルテレ村は日曜も好天に恵まれ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温25.5℃、路面52.5℃、湿度42.2%、風速7.6kphのドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーの伊ピレリはC4コンパウンドをソフト（赤）、C3をミディアム（黄）、そしてC2をハード（白）として投入。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、高い路面温度を背景に多くのチームがハードを第二スティントに投入した。

注目オープニングラップは、大きな混乱もなく全車ターン1を通過。1周目を終えてノリスがサインツにポジションを明け渡した他、リカルドが後退した事でガスリーとアントニオ・ジョビナッツィ（Alfa Romeo）がそれぞれ1ポジションアップを果たした。アルボンは5ポジションダウンの厳しい出だしを強いられた。

セルジオ・ペレスは一周目に大きくコースオフ。コース復帰の際にタイムゲインがあったとして審議の対象となり、5秒ペナルティが科された。レーシングポイントはピットストップの際にこれを消化。ペレスはランス・ストロールを13位に従えて、最終12位でチェッカーフラッグを受けた。

フェラーリはファイナルラップを前に「プランF」を発動。フリーストップが得られたベッテルをピットインさせファステスト・ラップを狙いに出たが、これを事前に察知したハミルトンが最終周に全体ベストを記録。カウンター攻撃を仕掛けた。とはいえ、タイヤライフで勝るベッテルがこれに遅れを取ることはなく、1分32秒740をマーク。ボーナスポイント1点を手にした。

2019年F1第8戦フランスGP決勝リザルト

Pos	No	Driver	Team	Laps	Time	PTS
1	44	ルイス・ハミルトン	メルセデス	53	1:24:31.198	25
2	77	バルテリ・ボッタス	メルセデス	53	+18.056s	18
3	16	シャルル・ルクレール	フェラーリ	53	+18.985s	15
4	33	マックス・フェルスタッペン	レッドブル・ホンダ	53	+34.905s	12
5	5	セバスチャン・ベッテル	フェラーリ	53	+62.796s	11
6	55	カルロス・サインツ	マクラーレン・ルノー	53	+95.462s	8
7	7	キミ・ライコネン	アルファロメオ	52	+1 lap	6
8	27	ニコ・ヒュルケンベルグ	ルノー	52	+1 lap	4
9	4	ランド・ノリス	マクラーレン・ルノー	52	+1 lap	2
10	10	ピエール・ガスリー	レッドブル・ホンダ	52	+1 lap	1
11	3	ダニエル・リカルド	ルノー	52	+1 lap	0
12	11	セルジオ・ペレス	レーシングポイント	52	+1 lap	0
13	18	ランス・ストロール	レーシングポイント	52	+1 lap	0
14	26	ダニール・クビアト	トロロッソ・ホンダ	52	+1 lap	0
15	23	アレックス・アルボン	トロロッソ・ホンダ	52	+1 lap	0
16	99	アントニオ・ジョビナッツィ	アルファロメオ	52	+1 lap	0
17	20	ケビン・マグヌッセン	ハース・フェラーリ	52	+1 lap	0
18	88	ロバート・クビサ	ウィリアムズ・メルセデス	51	+2 laps	0
19	63	ジョージ・ラッセル	ウィリアムズ・メルセデス	51	+2 laps	0
NC	8	ロマン・グロージャン	ハース・フェラーリ	44	DNF	0

コンディション

天気	晴れ
気温	25.5℃
路面温度	52.5℃
周回数	53

セッション概要

グランプリ名	F1フランスGP
レース種別	決勝
レース開始日時	2019年06月24日 (月) 07:10

サーキット

名称	ポール・リカール・サーキット
設立	1970年
全長	5842m
コーナー数	15
周回方向	時計回り

F1フランスGP特集