躍進ハース、アルファタウリの後は打倒アルファロメオ…ランキング6位を視野にハンガリーで今季最終アップグレード
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イギリスとオーストリアの過去2戦で計19ポイントを獲得し、角田裕毅擁するアルファタウリをコンストラクターズ選手権で交わしたハースF1チームは、6位アルファロメオを次のターゲットに据える。
レッドブル・リンクでの前戦でハース勢はプラクティスで好調を刻み、予選では2台揃ってQ3進出を果たした。そして土曜のスプリントではポイントを上乗せし、日曜の決勝ではダブル入賞と、完璧に近い週末を過ごした。
この結果、アップグレードなしでの連戦を強いられたファエンツァのチームを交わしてランキング7位に浮上。アルファロメオに対して17ポイント差に迫った。
F1第12戦フランスGPに先立ち、チーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは「先走るつもりはないが、7位をキープ、あるいは6位でシーズンを終える事ができれば、それは素晴らしい事だ」と述べ、打倒アルファロメオを口にした。
ランキング5位につけるアルピーヌは計81ポイントを積み重ねている。ハースとの差は47点と、控えめに言っても大きい。
「5位以上はかなり厳しいと思う。上位チームは非常に手強く、我々との差も少し離れているからね」とシュタイナー代表は続ける。
「例えこの調子を維持したとしても、過去2戦のように2台でポイントを獲得するような完璧な週末にはならないだろうが、懸命に取り組み続ければ6位には手が届くかもしれない。兎に角まずは7位をキープすることが重要だ」
ハース勢が躍進したシルバーストンやレッドブル・リンクと比べると、フランスGPの舞台、ポール・リカール・サーキットは低中速コーナーとストレートが多く、カタロニア・サーキットのようなクルマの総合力が試されるコースだ。
後続のアルファタウリがアップグレードを予定する中、ハースは開発パーツの後押しなしにフランスGPを戦う事になる。ケビン・マグヌッセン曰く、現行パッケージの伸び代は殆ど残されていない。
「フランスGPはこのパッケージでの最後のレースになる予定だけど、見い出せるものはまだ残っている。レースを重ねてきているだけに、当然、得られるゲインは減ってきているけどね」とマグヌッセンは語った。
エースドライバーがやや悲観的な見方をする一方、シュタイナー代表はポイント獲得の可能性を除外していない。
「我々のクルマはジェッダやバクー、そしてこの先に控えるスパやモンツァのような高速サーキットが弱点だと考えている。上手くやれれば、(フランスGPでも)またポイントを獲得できるはずだ。何点かは分からんがね」
「ここ2戦は信頼性も高かった。サマーブレイク前に控える次の2戦でも好調を維持できる事を期待している」
チームはシーズン前半最終戦のハンガリーGPで今季最終のアップグレードを投入する。後半戦は新しい開発パーツなしに9戦を戦い抜かねばならない。
早々にVF-22の開発を終了する理由についてシュタイナー代表は「今シーズンに資金を投じてプッシュし続けるより、来季に向けた開発をスタートさせる方が遥かに得るものが多いからだ」と説明した。