F1フランスGPアプグレ一覧:大幅改良されたアルファタウリとマクラーレン、9チームが新パーツを投入
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F1第12戦フランスGPではアルファタウリとマクラーレンがメジャーアップグレードを持ち込んだ。新たな空力パーツを持ち込まなかったのは次戦ハンガリーでのアップデートを予定するハースのみだった。
両チームのエンジニアリングチームの狙いは功を奏したようで、アルファタウリとマクラーレンは共に初日フリー走行でミッドフィールドのトップを争うパフォーマンスを示した。
チーム | アップデート内容 |
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アルファタウリ |
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マクラーレン |
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メルセデス |
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アルピーヌ |
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レッドブル |
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フェラーリ |
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アストンマーチン |
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ウィリアムズ |
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アルファロメオ |
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ハース | なし |
アルファタウリ
待望のアップグレードは小規模ではなく大規模なもので、中高速コーナーのパフォーマンス改善を主眼としたものだった。
車体後方へと流れる気流を改善すべく、エンジンカバーとコーク・ボトル部の形状が刷新され、アンダーフロアで発生するダウンフォースを増強すべくフロアも全体的に見直された。
フロアの変更により車両前方からの気流が改善された事で、ディフューザーにも手が加えられた。
アップデートについてガスリーは「特に以前はタイヤが酷くオーバーヒートするなどロングコーナーで苦戦していたけど、フロントの反応がよりシャープになり反応性が向上した」と評し、角田裕毅は「最初のプッシュラップから明らかな違いが感じられました」と語った。
マクラーレン
新型フロアと連動する形で前後の空力荷重を改善すべく、サイドポッド形状を変更すると共にミラーのステー位置を調整した。
また、暑さが予想されるフランス向けに、より冷却性能が高いルーバーパネルを持ち込むと共に、新しい内部ダクトを持つリアブレーキダクトを投入。加えて気流改善と冷却性能の調査テストのために、ダクト用のウィングレットを持ち込んだ。
更に、信頼性に対する懸念事項への対処のためにリアウイングのデザインを変更した。
テクニカルディレクターを務めるジェームス・キーは「データを分析して学ばなければならない事が山積みだが、ドライバーからの最初のフィードバックはポジティブかつ有益なものだった。良いスタートが切れたと思う」と語った。
メルセデス
ディフューザーへの流入を改善すべく、フロアエッジを変更。また、フロント・ブレーキダクト出口付近に内部ルーバーを追加する事で、暑さが予想されるフランスGP対策を施した。
アップデートについてジョージ・ラッセルは、一定程度ラップタイムが改善したとの見方を示す一方、開発を続けているのはライバルも同じであるため、相対的な競争力が上がったかどうかについては慎重だった。
アルピーヌ
アンダーボディへの流入を促進すべく、アンダーフロア・ストレーキとフロアフェンスの形状を変更した。
フェラーリ
全体的な空力性能の向上を目指し、フロア前部と中央部、そしてディフューザーのジオメトリーを変更した。
レッドブル
空力的荷重の分布を見直しフロアフェンスのジオメトリーを変更すると共に、リアのアッパーウイングを変更した。
アストンマーチン
局所的なダウンフォース増強のため、フロアエッジの前方部分にガーニーフラップを追加した。
ウィリアムズ
縁石に乗り上げた際の衝撃を緩和する事で、走行可能なレーシングラインを増やすべく、フロアの最前部にフロアサポートが追加された。
アルファロメオ
リアブレーキドラムの下部ディフレクターに小改良を加える事で、エアフローを改善してパフォーマンスを向上させた。