ハミルトン、レッドブル同様の2ストップ戦略なら「勝てたかも」2019年以来の3戦連続未勝利
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メルセデスのルイス・ハミルトンは2位に甘んじた20日のF1第7戦フランスGP決勝レースを終えて、マックス・フェルスタッペンと同じく2ストップ戦略に切り替えていれば勝利の可能性があったかもしれないと認めた。
レッドブル・ホンダ陣営はラップをリードしていたレース中盤に敢えてフェルスタッペンをピットインさせるという攻めの戦略に打って出た。これにより、代わって首位に立ったハミルトンに対して33周目の時点で18.160秒落ちの4番手にまで後退したが、残り2周でハミルトンをオーバーテイクすると、2.904秒差を付けてトップチェッカーを受けた。
これでハミルトンは第4戦スペインGP以来、勝利から見放される事になった。3戦連続で未勝利に終わったのは2019年シーズン以来の事だった。
レースを振り返ったハミルトンは、2ストップ戦略を採っていればフェルスタッペンに勝てたかもしれないとの考えを示す一方、チームとしては1ストップ以外の選択肢はなかったと明かした。
「2ストップなら勝てた可能性もあると思うけど、僕らにそのカードはなかった。この後色々と分析して理由を探ってみたいと思う」
ただその一方でハミルトンは「ストレートで速すぎる」レッドブル・ホンダをコース上で追い抜くことは不可能であるため、フェルスタッペンより後に2回目のピットストップを行なう意義はなかったと主張。2ストッパーに切り替えるのであればレッドブル・ホンダ陣営より先に決断する必要があったと訴えた。
仮にハミルトンが2ストッパーに切り替えたとして、それが勝利に結びついたかどうかは不透明だが、今回のレースでアンダーカットが強力に機能することは1回目のピットストップで明らかだった。
ストラテジストを務めるジェームズ・ヴォウルズが「我々の責任だ」と謝罪したように、結果的に1ストッパーを貫いた事でメルセデスはフェルスタッペンに今季3勝目を許し、ハミルトンとしてはポイントランキングでのライバルの背中が更に遠のく結果となったわけだが、歴戦の王者は今回の敗北を冷静に受け止めている。
「腸が煮えくり返る、なんて事は全くない」とハミルトン。
「今日の僕らは素晴らしい仕事をしたと思うけど、単に上手くいかなかったんだ。凄く落胆しているわけじゃないし、今日はできる限りの仕事をしたつもりだ」
「もちろん、もう少し上手くやれた部分もあったと思うけど、今週末の彼らは終始僕らよりもずっと速かった。今日の結果は彼らのペースを如実に表したものだと思う」
レッドブル・リンクを舞台とする次戦シュタイアーマルクGPは6月25日のフリー走行1で幕を開ける。