FIA、F1最高幹部ピーター・バイヤーが退任…後任にウォルフの特別顧問
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国際自動車連盟(FIA)はF1第8戦アゼルバイジャンGPを翌週末に控えた6月1日(水)、F1最高幹部、ピーター・バイヤーの退任を発表した。後任にはシャイラ・アン・ラオが暫定就任する。
ピーター・バイヤーは2017年にFIAのスポーツ担当事務局長に就任し、カートからF1に至るまでFIAの全スポーツ部門を監督。2021年にはF1エグゼクティブ・ディレクターに就任し、F1を監督してきた。
弁護士としてキャリアを歩み始めたシャイラ・アン・ラオは、TV放送契約交渉など、スポーツ関連の法務に携わった後、2016年5月から2年8ヶ月に渡ってFIAの法務部長を務めた。その後は相談役として2018年12月メルセデスAMG-F1チームに加わり、昨年からはチーム代表兼CEOのトト・ウォルフの特別顧問を務めていた。
FIAは昨年のF1最終戦、アブダビGPでの物議を経て、ピーター・バイヤー指揮の下、最終盤のレース運営のあり方に関する調査と分析を行い、FIAレースディレクターを務めていたマイケル・マシの退任を含め、数々の改革を打ち出した。
だがモハメド・ベン・スレイエム新会長のこうした手腕にも関わらず、ジュエリー禁止令の取り締まり強化や、来季スプリントレース拡大に対する承認の遅れ、マイアミでの安全性懸念、モナコGPのスタート時の混乱など、組織に対する不満や疑問の声は改善されておらず、むしろ高まっているようにみえる。