F1アゼルバイジャン衝突の裁定公表…寄ったサインツ、壁に並行したペレス
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F1アゼルバイジャンGPのラスト2周で発生したカルロス・サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)の接触事故についてスチュワードは、どちらのドライバーにも主たる責任はないとして、処分を行わない決定を下した。
表彰台を争う2人がクラッシュによりリタイヤしたのは、51周のレースの50周目、ターン2を抜けた先のストレートだった。
ペレスは同じラップのターン1で、2番手を走行するシャルル・ルクレール(フェラーリ)を追い詰めたが、抑え込まれた結果として逆に、後方サインツにポジションを奪われた。
奪還に向けてターン2のイン側に飛び込んだペレスは、サインツの半車身後方でターン3に向かった。その後、RB20の右フロントとフェラーリSF-24の左リアが接触し、2台揃って左側のバリアに衝突した。
スチュワードによると、ターン2を回った直後の両者のマージンは約1メートルあった。ここから事故発生地点まで、どちらのドライバーもステアリングがニュートラルに保たれていたことが判明した。ステアリング操作に、これと言った不規則な点は見つからなかった。
ペレスは接触に至るまで、右側のウォールにほぼ「平行なライン」を取った。一方、聴聞会の中で、後方にペレスがいることを認識していたと認めたサインツは若干、右側のウォールから離れていくラインを取った。
スチュワードは、先行するサインツには自分のラインを維持する権利があったとしたが、同時に、ペレスの側に向かって僅かに移動したことは「明白」だと指摘した。
ペレスについては、走行ラインに問題はなかったとしつつも、後方を走行していた立場として、接触を避けるために「もっとできることがあったはずだ」と指摘した。
ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は、どちらのドライバーにも主たる過失はないと判断し、一件をレーシングインシデント(レース中に自然に発生した事故)として処理した。