F1は4倍!FIA、統括各選手権の罰金上限を増額…発煙筒は禁止
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「少なくとも過去12年に渡って、見直しも改定もされておらず、モータースポーツの現状を反映していない」として、FIA-F1世界選手権の罰金最高額が従来の25万ユーロの4倍にあたる100万ユーロ、日本円にして約1億5,830万に引き上げられた。
これはFIA国際競技規定(ISC)において定められているもので、耐久選手権(WEC)やフォーミュラE、ラリー選手権(WRC)など、F1を除くFIA管轄下の各世界選手権は75万ユーロ(従来の3倍)、その他の選手権は50万ユーロ(従来の2倍)に増額された。
この変更は2023年のF1アメリカGP開幕前日の10月19日、ジュネーブで行われた今年3回目の世界モータースポーツ評議会(WMSC)にて承認された。
FIAは増額の理由である「モータースポーツの現状」について詳細を明らかにしていないが、世界的な人気の高まりを背景にF1チームの価値は今や1,500億円を超える水準と推計されている。2020年のウィリアムズの売却額は当時のレートで200億円に満たなかった。
ISCに定められた罰金は、規定違反または各競技会のスチュワードの命令に従わないチーム、ドライバー、協議関係者、オーガナイザー等を対象とするもので、決定から48時間以内に支払わなければならない。
F1における直近の罰金は、レース中のコースを横断したとしてF1カタールGPでルイス・ハミルトン(メルセデス)に科された5万ユーロ(約790万円)だ。「極めて危険な状況を引き起こす可能性があった」として、戒告処分と合わせて金銭ペナルティの処分が下された。
F1における罰金の史上最高額は、フェラーリから知的財産を入手したとされる2007年のスパイ行為によりマクラーレンが科された1億ドルだ。
この日のWMSCでは罰金と合わせて、昨年10月に欧州連合理事会がスポーツイベントにおける発火物の使用防止を勧告した事を受け、競技会におけるこれらの所持及び使用を禁止するISCの改定が承認された。
2022年のF1オランダGP予選では、観客がザントフォールト・サーキットのコース上に発煙筒を投げ込み、6分間に渡って赤旗中断を余儀なくされる事件が発生した。主催者は2023年大会より、発煙筒の取り締まりを独自に強化した。
FIAは「モータースポーツの状況を精査した結果、レース中のあらゆる発火装置の無許可の使用は公衆衛生と安全に重大なリスクをもたらす可能性があるため、予防と対策が必要との結論に達した」と説明した。