FIA、バスールとウォルフを処分「容認できない」F1ラスベガスでの罵倒と暴言を受け
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F1ラスベガスGPでの悪態と罵倒を受け国際自動車連盟(FIA)は、「知名度が高く」「模範とされる人物」の発言としては「容認できない」ものであるなどとして、メルセデスのトト・ウォルフ代表とスクーデリア・フェラーリのフレデリック・バスール代表を警告処分とする決定を下した。
2人のチーム代表はスチュワードに召喚され、F1アブダビGPの開幕を翌日に控えた11月23日(木)現地17時より聴聞会が行われた。
問題視されたのは、11月16日にラスベガス市街地コースで行われたFIA公式記者会見の場で発せられた2人の「言葉遣い」だ。本件の担当はラスベガスGPのスチュワードからアブダビGPのスチュワードに引き継がれた。
いずれもFIA国際競技規定第12条2項1号fに違反するとの判断が下された。これは「モータースポーツの利益やFIAが擁護する価値観への誹謗中傷、あるいは損失をもたらすあらゆる言葉、行為または記述」を禁止するものだ。
聴聞会を経てギャリー・コネリーを含む4名の競技審判団は、2人の発言は「容認できない」と指摘し、特に「知名度が高く」「愛好家にとってのロールモデル」足るチーム代表という立場の人間が口にすべきものではないと強調した。またFIAの「価値観に合致していない」とも述べた。
ただしウォルフの罵倒に関しては「記者会見中の突然の割り込みによって引き起こされた」ものであり、バスールに関しては「FP1で起きた出来事に大いに動揺し苛立っていた」とも指摘し、「軽減すべき状況」があったとも認めた。
その結果、2人のチーム代表は警告のみで事なきを得た。
ラスベガスGPのFP1では、送水バルブの蓋の破損によりカルロス・サインツ(フェラーリ)のマシンが破壊されるアクシデントが発生した。セッション直後に行われたチーム代表者会見は、異様かつ緊迫した空気に包まれた。
バスールは、あからさまに苛立った様子で「受け入れられない」と主張し、司会のトム・クラークソンが再三に渡って話題を切り替えようとするも、今回の一件以上に語るべき事はない等と質問を退けた。
一方のウォルフは、質問を投げかけたジャーナリストを罵倒するなど、ラスベガスGPの事実上の主催者でありF1の商業権を持つリバティ・メディアを徹底的に擁護した。
一連の問題はF1にとって「面汚し」なのではと問われるとウォルフは「何でもないことだ」「明日の朝にはもう誰もこの事ついて話したりしないはずだ」と返し、別のジャーナリストから、どうしてそう言い切れるのかと問いかけられると「完全に馬鹿馬鹿しい。全く以て話にならない!」と声を荒らげ、放送禁止用語を交えながらまくし立てた。