フェラーリ、F1アゼルバイジャンGPに今季初のアップデートを投入…反撃の狼煙上げる

カタロニア・サーキットを周回するスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル、F1バルセロナ合同テストにてcopyright Ferrari S.p.A.

メルセデスが開幕3戦連続の1-2フィニッシュを果たし、混迷のチャンピオンシップ争いの望みが薄れゆくなか、スクーデリア・フェラーリは第4戦アゼルバイジャンGPに、今季初のアップデートを持ち込む事を明らかにし、反撃の狼煙を上げた。

開幕戦からの3連続1-2は実に27年ぶりの事であり、シーズン前の予想をあざ笑うかのように、シルバーアローがフィールドを席巻。優勝候補筆頭とみなされていた跳ね馬は、信頼性とチーム力不足もあり、3位表彰台を2度獲得するにとどまっている。

フェラーリが苦戦しているのは低速コーナーでのハンドリングバランスだ。フロントのダウンフォースが不足しているために、コーナーの進入でメルセデスに大きく遅れを取っているように見受けられる。両者は共に過去3戦で小規模なアップグレードを持ち込んでおり、マラネロは上海に改良型のフロアを投入。クルマ全体の空力効果を強化する事で、フロントのグリップ不足の解消を目指していた。

フェラーリのマティア・ビノット代表は第4戦に先立って「我々はバクーに幾つかのアップデートを持ち込む。これはSF90の開発における第一歩だ」と語り、超高速の市街地戦で一気抗戦の構えを見せる。

「これまでの3レースは我々が望んでいたような展開とはならなかった。今回のグランプリは我々にとって重要な一戦となる。我々はバクーに向けて、これまでに取得した全データを分析して改善可能なエリアを検討し、クルマのセットアップとパワーユニットのマネジメントを、トラック特性に合わせて調整する作業に取り組んできた。入念な準備を行っている」

「バクーを特徴付けるのは非常に長いストレートだ。これによって、内燃機関とハイブリッドエレメントの両方を含めたエンジン全体に特別な対処が必要となる」

アゼルバイジャンGPの戦いの舞台となる1周6003mのバクー市街地コースには、カレンダー最長となる全長2kmを超える超ロングストレートが存在する。チームはトップスピードを稼ぐために、低ダウンフォースのパッケージを持ち込み、スパやモントリオールと同レベルのウイングをマシンに取り付ける。

「適切なウイングレベルを見出す事が重要だ」とセバスチャン・ベッテル。セットアップの難しさを次のように強調する。「バクーでは、低速コーナーでのグリップを確保しつつ、エンジン全開時間の長いストレートにおいても十分なスピードを得なくてはならない。この2つの妥協点を見出すのは簡単な仕事じゃない」

フェラーリがトラック上のパフォーマンスに苦戦している原因の一つがタイヤだ。開幕オーストラリアと第3戦中国では、ラバーを適切なウインドウに入れる事が出来ず、タイヤを使いこなせていない。ビノット代表は、バクーでもタイヤが課題となると考えている。

「路面が非常に滑らかであるため、タイヤのデグラデーションが少ない事が予想されるが、その一方で入力が低くなるため、正しい作動温度領域に入れ込むのが困難になる可能性がある」

F1アゼルバイジャンGPは、日本時間2019年4月26日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。

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