フェラーリ、最速「RB19」の秘密知るレッドブルの大物獲得を画策…メキース交渉材料か
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イタリア国内の報道によるとスクーデリア・フェラーリは、空力部門の責任者としてレッドブル「RB19」の開発を指揮したエンリコ・バルボの引き抜きを画策しているという。マラネロを離れる予定のローラン・メキースが交渉材料に使われる可能性もありそうだ。
バルボはエアロダイナミクス一筋にキャリアを歩んできたイタリア人エンジニアで、ウィリアムズとメルセデスを経て2018年にレッドブルに移籍。”トリプルDRS”を備え、2023年シーズンの世界選手権をリードする「RB19」の空力を監督した人物だ。
マッティア・ビノットの離脱に続き、デイビッド・サンチェスとメキースがライバルチームに引き抜かれるなど、主要人材の流出により先行き懸念が囁かれるフェラーリだが、何も手をこまねいているわけではない。
チーム代表のフレデリック・バスールは具体的な名前を伏せつつも、ライバルチームをターゲットとした大規模なヘッドハンティングによって、30名の採用を計画しているとされる。伊紙「コリエーレ・デラ・セラ」によると、その内の一人はバルボだ。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表をしてバルボはマシン開発の要の一人であり、テクニカルディレクターのピエール・ワシェに続くベン・ウォーターハウス(パフォーマンス・エンジニアリング担当)、クレイグ・スキナー(チーフデザイナー)と並ぶ3名の主要技術者の一人である。
無論、これほどの人材であれば相応のガーデニング休暇が予想されるところだが、ここでレッドブルの姉妹チーム、角田裕毅擁するスクーデリア・アルファタウリが絡んでくる。
F1ジャーナリストのロベルト・チンチェーロは、フランツ・トストに代わるアルファタウリの新たなチーム代表への就任が発表されたメキースを材料に、フェラーリがバルボの早期マラネロ合流を図る可能性があると指摘した。
「詳細について話し合う必要がある」とバスールが語っている事から、メキースは現時点で契約解除の詳細についてフェラーリと合意に至っていないものとみられる。バスールは移籍を妨害する可能性を除外しているが、理論的にはその限りではない。
今シーズン末のトスト退任に合わせてメキースがアルファタウリに合流できるよう調整する事を条件に、ガーデニング休暇の短縮を要求するというシナリオだ。
レッドブルを標的とする人材の引き抜きに関してはドイツ国内でも取り沙汰されており、既にマラネロで業務を開始したバルボ以外のエンジニアもいる、とも伝えられている。
なおメキースの後任に関しては、その業務範囲が広範に渡るため複数人に割り振られる見通しで、キャリア35年の大ベテラン、シニア・パフォーマンス・エンジニアのジョック・クリアとチーフエンジニアを務めるディエゴ・イオベールノの名前が浮上している。