審議に至ったヒュルケンベルグとの一件を巡り「僕はスペイン人」とアロンソ、因縁のハーバートを牽制か
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F1オーストリアGPスプリントでのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)との一件を巡りフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、スペイン人というだけで不公平な裁定を受けるリスクを避けたかったと仄めかし、スチュワードを牽制する素振りを見せた。
23周で争われたレースのファイナルラップに向けてヒュルケンベルグがDRSを使ってターン3のイン側に飛び込んだところ、タイヤがロックアップ。アウト側のアロンソはターンインできず、コース外に追いやられた。
4名の競技審判団はレース後、ヒュルケンベルグに10秒のタイム加算ペナルティと2点のペナルティポイント(累積2点)を科す決定を下した。
ヒュルケンベルグとの一件について見解を問われた42歳のスペイン人ドライバーは「特に何も言うことはない。フィニッシュに向けて16位を争っていただけさ」と語った。
「おそらくギリギリのラインだった。ターンインしていたら僕らはクラッシュしていただろう」
アロンソはニヤリとして「でも僕はスペイン人だし、これはスプリント・ウィークエンドだ。トラブルに巻き込まれたくない」と付け加えた。
オーストリアGPのドライバースチュワードを務めるのはアロンソと因縁があるジョニー・ハーバートだ。
マクラーレン・ホンダ時代のアロンソの「GP2エンジン」発言を巡って両者の関係は悪化し、今年4月のオーストラリアGPで発生した非接触のクラッシュを巡っては、ハーバートを含むスチュワードから厳罰を科されたアロンソが「ドライバーなら誰でもやることだ」と真っ向から異議を唱える事態となり、殺害を含む「大量」の脅迫がハーバートに寄せられ問題となった。
アロンソはその翌月のマイアミGPで、国籍によってペナルティ裁定が左右されていると主張し、国際自動車連盟(FIA)のモハメド・ベン・スレイエム会長に懸念を表明した。
マイアミのスプリントでアロンソは、1周目のターンでのルイス・ハミルトン(メルセデス)の飛び込みを受け、接触を避けるべく回避行動を取った結果、僚友ランス・ストロールと衝突した。
スプリントを経て母国スペインのDAZNのインタビューに応じたアロンソは「何人かのレースを台無しにした」にも関わらず、「スペイン人でない」という理由のためにハミルトンは罰せられなかったと主張した。