F1テスト初日がスタート、チームは何を目的に何をテストするのか?

RB14に取り付けられた巨大なエアロレイクcopyright Hungaroring Media

2019年のF1バルセロナ合同テストが開幕を迎えた。ウィリアムズ・レーシングを除く9チームが初日のセッションに臨んでいるが、各チームは何を目的として何をテストするのだろうか?

チームは通常テスト開幕3日前にはサーキット入りしてセッション開始に向け、場合によっては24時間体制でマシンの組立作業を行う。ファクトリーでの作業時間を最大限に確保するためには、マシンの輸送を出来るだけ遅くまで引っ張ることが望ましい。

メルセデスやフェラーリ、レッドブルといった大規模チームは既にシェイクダウンという形で実走行を済ませているが、一部の小規模チームや開発スケジュールに遅れが生じたウィリアムズは未だ一度も新車をコース上で走らせていない。テスト初日のプログラムのあり方は、両者で異なる。

シェイクダウンを行っていないチームはまず第一にシステムチェックを行う事になる。近代のF1マシンは複雑奇怪なメカニズムと膨大な電子制御によって初めて走行可能となる代物だ。パワーユニットやトランスミッション、サスペンションに油圧系、電子機器などなど。各専門家が正常に可動しているかを確認する。

実地走行は皆無に等しいとは言え、大規模チームはダイナモを用いて既に何千キロも新車を走らせており、テスト開幕前の段階で小規模チームの1歩も2歩も先を行っている。空力に関するレギュレーションが大きく変更された事に伴い、まずはフロービスなどを用いて車全体の気流の流れを測定し、期待通りの結果が出ているかどうかの確認作業に取り組む事になるだろう。

プレシーズンテストは計8日間という限られた日数しかないが、F1チームにとっては決して短いものではない。グランプリでは3回のフリー走行と1時間の公式予選、そして最大2時間までと規定されている決勝レースの計4セッションが3日間に渡って行われれるが、これは時間に換算すると7時間しかない。

テストでは一日あたり8時間を走行する事が出来るため、プレシーズンテスト全体ではグランプリウィーク9回分に相当する膨大な時間が確保されている事になる。逆に言えば、トラブルなどで1日の大半を失うことは、グランプリ1回分の欠場に等しい損失と言える。

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