F1マイアミ展望:”黄色信号”予想のレッドブル、ライバル勢は今季初の大型改良…サージェントはラスト母国GPか
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フライアウェイ5戦を経てF1サーカスは北米へと飛び、ゴールデンウィーク真っ只中の5月3~5日にマイアミGPが開催される。今季2回目のスプリント週末に向けてはコースの内外で様々な話題が飛び交っている。
レッドブル、連続ポールに黄色信号?
これまでのところはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシーズンを支配する展開が続いているが、モータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは第6戦で連続ポールポジション記録が潰える可能性があると懸念している。
中国でのスプリントではポールを逃したものの、ディフェンディング王者は今季これまで、すべてのグランプリ予選で最速を記録しており、レースでは5戦4勝と絶好調。ブレーキトラブルがなければオーストラリアでも表彰台に上がっていた可能性が高い。
しかしながらマイアミでは幾らか流れが変わるかもしれない。
2024年型「RB20」についてマルコは、オーストリアの「SPEEDWEEK」のコラムの中で、「どのようなタイプのコースでも速いマシン」と評する一方、マイアミ・インターナショナル・オートドロームやモンテカルロ市街地コースでポールを獲得するのは「簡単ではないだろう」と指摘した。
マクラーレンとメルセデス、大型改良へ
現時点でレッドブルの最大の対抗馬はスクーデリア・フェラーリだ。カルロス・サインツはフェルスタッペンがリタイヤを余儀なくされたメルボルンでトップチェッカーを受け、フェルスタッペンを除く唯一の今季ウィナーとなった。
マクラーレンとメルセデスはトップ争いから一歩、遅れを取っているが、いずれも競争力の改善を目指し、今季初となるメジャー・アップグレード・パッケージをマイアミに持ち込む予定だ。
ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルがドライブするW15の新たな開発パーツについてメルセデスのテクニカル・ディレクターを務めるジェームス・アリソンは、激戦のグリッド争いで僅かな利益が得られる可能性があるとの期待を示している。
また、MCL38の改良についてマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、昨シーズンのメジャー・アップグレードほど劇的なパフォーマンス向上が見込めるものではないとしつつも、デグラデーションの改善が期待できると説明した。
マイアミのサーキットは低速コーナーの後にストレートが続く箇所が多く、コーナー出口におけるトラクションが重要で、リアタイヤのデグラデーションがボトルネックとなる。
マイアミでは前戦中国GPに次いでスプリント・フォーマットが採用される。僅か1時間のプラクティスを通して如何にアップグレードのポテンシャルを引き出せるかが一つの焦点となる。
なお上海でエステバン・オコンのみにアップグレードを投じたアルピーヌは、マイアミではピエール・ガスリーにも最新スペックを用意する計画だ。
マイアミでのフェラーリSF-24は上海バージョンと殆ど変わらない見通しだが、2021年以来となるタイトルスポンサー契約の締結を受け、カラーリングは大幅に変更される。
HP Inc.(ヒューレット・パッカード)との複数年に渡る「歴史的」なタイトル・パートナーシップの締結によりシャルル・ルクレールとカルロス・サインツは、ブルーを取り入れた特別カラーのマシンをドライブする事になる。
サージェント、最後の母国GPとなるか?
ローガン・サージェント(ウィリアムズ)はグリッドの中で唯一、3つのホームグランプリを持つドライバーだが、シーズン途中での契約解除が噂されており、オースティンやラスベガスでの出走はなく、マイアミが最後の母国レースとなる可能性が指摘されている。
サージェントは昨年、スコット・スピード以来となる17年ぶりのフルタイム米国人F1ドライバーとしてデビューを果たし、第19戦アメリカGPでは技術規定違反による2台の失格を受け、マイケル・アンドレッティ以来、30年ぶりにアメリカ人ドライバーとしてポイントを獲得した。
しかしながらこの1レースを除いては入賞できておらず、劇的な改善なくして3シーズン目の残留の可能性は極めて乏しく、パドックでは、ルイス・ハミルトンの後任候補に挙げられているメルセデスジュニアのアンドレア・キミ・アントネッリとの交代説が囁かれている。
17歳のイタリア人ドライバーは現時点で、18歳以上である事を要件とするFIAスーパーライセンスを取得する事ができないが、8月25日にはこの要件を満たす事になる。
キミ・アントネッリは、レッドブルリンクでの2021年型「W12」でのテストに続き、4月29日(月)にイモラ・サーキットで22年型「W13」をテスト。30日(火)にも再びステアリングを握る。