ホンダとアルピーヌ、2023年F1コスト上限規則違反で罰金…FIA提案のABAに合意
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ホンダ(HRC)とアルピーヌは、昨年初めて導入されたF1パワーユニット(PU)財務規則に基づく2023年度の会計報告に不備があったとして、国際自動車連盟(FIA)から各々、数千万円単位の罰金を科された。
コスト上限あるいは予算上限規定と呼ばれるこのルールは、2026年以降の選手権を対象とするもので、FIAのコスト上限管理部門は6月11日、コスト上限を下回っていたにも拘わらず、会計報告に手続き上の違反があったと発表し、両社に違反是認(ABA)を提示した。
メキシコGPを経た10月29日にFIAから公表された詳細によると、ダイナモのメンテナンスと在庫に関する費用において、ホンダの会計報告に誤りがあったことが判明した。
ホンダは違反の事実を認め、10月7日にABAに合意した。60万ドル(約9,190万円)の罰金に加えて、ABAの準備にかかるFIAの費用を負担する。
アルピーヌについては、評価報告書が不完全で「重要な欠陥」があり、幾つかの必要な手続きが全く実施されていない、または部分的にしか完了していないことが判明した。
アルピーヌも10月11日にABAに合意した。罰金はホンダより低い40万ドル(約6,131万円)で、同じくABAの準備費用を負担する。両者は30日以内に罰金を支払わなければならない。
FIAは声明を通して、「コスト上限管理部門は、両メーカーがレビューの過程で誠実かつ協力的に行動し、求められた追加情報や証拠を迅速に提供したことを認識している。これはパワーユニット財務規定が全面的に適用された初めての年であり、アルピーヌおよびホンダが違反によって不当な利益を得ようとした、または得たという証拠はない」と述べた。
メルセデス、フェラーリ、レッドブル・パワートレインズ、アウディの4社、そして全10チームは、2023年シーズンのコスト上限に準拠していたことが明らかにされている。
アルピーヌの親会社ルノーは今年9月、2026年シーズンを前に、フランスのヴィリー=シャティヨンで半世紀近くに渡って続けてきたF1エンジンプログラムを終了すると発表した。
アルピーヌは次世代PUが投入される2026年以降、メルセデスのカスタマーエンジンを採用すると予想されている。