F1オランダGP、35年ぶりの復活は幻と消えるか? 中止の可能性高まる
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で延期が発表されていたF1オランダGPだが、ここにきて中止の可能性が高まった。オランダのルッテ首相は現地21日夜に行われた会見の中で、スポーツを含むあらゆるイベントの開催中止措置を9月1日まで延長すると発表した。
COVID-19のパンデミックを受けて各国政府は、人々が密集する事で感染リスクが高まる大規模イベントを凍結させてきた。他の様々な催しと同様にF1もこの措置による深刻な影響を受けており、現時点で少なくとも9つのレースが事実上の凍結を強いられている。だが残りの13戦も危うい。
そのひとつが、今年35年ぶりにカレンダーに復活したオランダGPだ。ザントフォールト・サーキットでのレースは当初5月3日に予定されていたが、当局が6月1日まで大規模イベントを禁止した事により延期が発表され、リスケの対象となっていた。
伝統的なサマーブレイクが春へと前倒しされた事でオランダGPの現地プロモーターとF1は、8月中にイベントを再編することを望んでいたものの、大規模イベントの禁止措置が秋口にまで延長された事で、今シーズン中のオランダGPの復活は更に疑わしいものとなった。
レストランやバーなどの飲食店や、美容院・マッサージ店などの人との接触が発生する業種も営業再開を認められておらず、イベントの開催禁止だけでなく4月28日までとされていた殆どの措置の延期が決まった。
ルッテ首相は記者会見の中で「後になって後悔するより、今こそ慎重になるべき。次の段階に進むと言いたいがそれは非常に怖く危険だ。データ上では少し改善が見られるものの、対策を緩和してウイルスが再びピークを迎える事を想像してみてほしい。それは絶対に避けたい」と語り、国民に理解を求めた。
世界保健機関(WHO)の発表によると、21日時点でのオランダ国内での累計感染者数は33,405人、死者は3,751人に上っており、3月27日を境に感染の拡大傾向に一定の歯止めがかかってはいるものの抑え込むには至っておらず、21日も新たに729件の確定症例と165人の死亡が確認されている。
正式発表こそないが、ポール・リカール・サーキットでの開催が予定されているフランスGPも中止あるいは延期が決定的で、2020年シーズンのF1世界選手権の開幕は早くとも7月上旬のオーストリアとなる可能性が高い。
F1はレッドブル・リンクでのグランプリを無観客レースとして行ってシーズンを開幕させた後、その翌週にもう一度シュピールベルクのサーキットでイベントを開催する方向で調整を進めている。