佐藤万璃音、実力出し切れずも”堅実な仕事”で705kmを走破「この調子で続ければ将来は切り開かれるだろう」とトスト代表

アルファタウリ・ホンダAT01のヘイローに手を掛けコックピットに乗り込む佐藤万璃音、2020年Fアブダビテストcopyright Red Bull Content Pool

FIA-F2選手権最終サクヒール後にレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコから声を掛けられたという佐藤万璃音は、12月15日のアブダビテストにアルファタウリ・ホンダから参加。1日を通して127周、距離にして705kmの充実のマイレージを稼いだ。

神奈川県横浜市出身の21歳、佐藤万璃音は、2004年にカート競技でキャリアをスタートさせ、2011年に渡欧。2015年にイタリアF4選手権でシングルシーターデビューを果たすと、2017年にF3へのステップアップを果たし、モトパークから参戦した2019年のユーロフォーミュラ・オープンでは9勝を挙げ、リアム・ローソンや角田裕毅を抑えてタイトルを獲得。今季はトライデントからFIA-F2選手権に参戦し、ランキング22位でシーズンを終えた。


© Red Bull Content Pool

好天に恵まれたこの日のテストは、1時間の昼休みを挟んで現地午前9時から午後6時までセッションが行われた。ピレリは1台に付きC5コンパウンドを2セットと、C4コンパウンドを5セット供給した。

ラップタイム的には15台中13位となる1分38秒495と目立っていないが、佐藤万璃音は上位勢の多くとは異なりC5コンパウンドでタイムを残していない。佐藤万璃音と同じC4での最速を刻んだのはレッドブル・ホンダRB16をドライブしたユーリ・ヴィップスだが、この日がF1初走行という事実を踏まえれば、その差は0.725秒と決して遠くはなかった。

1日を振り返った佐藤万璃音は「まず最初に、F1マシンを初ドライブするチャンスを与えてくれたスクーデリア・アルファタウリの皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです」と謝意を表した。

「今日はかなりの周回数をこなす事ができましたが、ソフトコンパウンドでの走行の際に少しトラフィックに捕まってしまった事が残念でした」

「その時点までは良い感じで走れていたのですが、全てを出し切れたとは言えないのが実際のところです」

「それでも初めてのF1マシンでの走行は本当に楽しかったですし、最高の経験を積むことができました。また近いうちにドライブできる事を願っています」

チーム代表のフランツ・トストは佐藤万璃音の仕事ぶりを「堅実」と評し、周回を重ねる中でマシンへの習熟を深め、F1チームの働き方を学んでいたと説明。更に「このまま続けていけば、モータースポーツでの将来が切り開かれるだろう」と付け加えた。


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