19位アロンソ、21年に渡るキャリアの”最下位記録”を更新 「史上最も退屈なレース」早期ピットでのストロール援護を経て
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21シーズンもの長きキャリアにおいて最低となる19位フィニッシュに終わった2024年のF1第7戦エミリア・ロマーニャGPについてフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、自分史上「最も退屈なレース」だったと評した。
2度のF1ワールドチャンピオンはアルピーヌ時代の2022年にメキシコGPで19位を記録しているが、これは規定周回の90%以上を消化した事による「完走扱い」によるもので、9番手を走行していた残り9周でエンジントラブルに見舞われたため、レースそのものはリタイヤしている。
統計上の「完走」ではなく、文字通りにチェッカーを受けて「完走」したレースのこれまでのワーストリザルトは、2022年のオーストラリアGPを含む過去4回の17位であり、2024年のイモラでの19位は残念な意味での記録更新となった。
トラブルに見舞われ予選19位と下位グリッドに沈んだ事を受けアストンは、決勝に向けてセットアップを変更。パルクフェルメ規定違反に伴いアロンソはピットレーンからレースをスタートした。
オーバーテイクが著しく困難なイモラでアロンソが巻き返すためにはライバルの不運が不可欠であったが、この日はセーフティーカー(SC)はおろか、バーチャルすら導入されないクリーンなレースとなった。
クルマを降りたアロンソは「レースがどうなるか大体分かってしまうから、少しばかりフラストレーションが溜まる週末だったね」と振り返った。
「セーフティーカーや赤旗、もしくはレースを混乱させるような何かがあればよかったんだけど。最後尾からスタートした今日は、これまでで最も退屈なレースだった!でもまぁ、終わった事だし、もうモナコに目を向けてるけどね」
アストンはイモラでAMR24に大規模なアップグレードを投じた。アロンソがピットレーンからスタートした理由の一つは、ランス・ストロールと異なるセットアップにして比較検証用のデータを取るためだったようだ。
「今日集めたデータを通して2台のクルマにどういう違いがあったのかをチームに聞くつもりだ。2台でセットアップを分けたんだ。今後のレースに向けて僕らが進むべき方向性が見つかるかどうか検討してみる」とアロンソは説明した。
「厳しい週末だった。当然ながら、ここは予選がすべてを左右するコースだ。モナコも同じだろうから完璧な土曜日を過ごさなきゃならない。そうすれば日曜が楽になる」
アロンソにとってこの日のレースはテストセッションに過ぎず、ストロールを援護すべく7周目には誰よりも早くピットストップを行った。ストロールにとっての直接的なライバルに揺さぶりをかけ、早期にピットストップさせる狙いがあった。
チーム代表を務めるマイク・クラックはアロンソが「完璧なチームプレイ」をこなしたと評価した。
「イモラではランスの力強い走りと優れたチーム戦略により貴重な2ポイントを持ち帰る事ができた」とクラックは振り返る。
「ランスは第1スティントを引っ張ることで1ストップ戦略を成功させ、フェルナンドは8周目という早い段階でピットストップを行う事で、他のクルマを早めにピットに誘い込んだ」
「その後ランスはヒュルケンベルグと角田をターン1でオーバーテイクして9位を確保した。ここでの追い抜きは容易ではないため、ランスの追い抜きが見れたのは本当に良かった」
「厳しい予選となったフェルナンドにとってポイント獲得は難しい状況だったが、彼は完璧にチームプレイを遂行してくれた」
「今週末は我々の競争力が未だに十分でない事を示すものとなった。まずは次のモナコに向けてAMR24の全てのポテンシャルを引き出すことに焦点を当てていく」
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が0.725秒という僅かの差でランド・ノリス(マクラーレン)を振り切り今季5勝目を上げた。
モンテカルロ市街地コースを舞台とする次戦モナコGPは5月24日のフリー走行1で幕を開ける。