ベッテルが17戦ぶりのポール!レッドブル・ホンダは赤旗の魔の手に / F1カナダGP《予選》結果とダイジェスト
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2019年FIA F1世界選手権 第7戦カナダGP公式予選が現地6月8日(土)にジル・ビルヌーブ・サーキットで行われ、スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルが1分10秒240を記録し、昨年7月のドイツGP以来となる今季初のポールポジションを獲得した。
2番手はメルセデスのルイス・ハミルトン。第1・第2セクターでベッテルを上回ったものの、跳馬が得意とするセクター3でコンマ2秒遅れた。3番手にはフェラーリのシャルル・ルクレールが続き、4番手にはルノーのダニエル・リカルドが飛び込んだ。
ホンダエンジン勢はモナコとは打って変わり、トップ10に残ったのがピエール・ガスリー唯一台という厳しい結果に終わった。ガスリーは最終ラウンドに進出して5番手を獲得したものの、僚友マックス・フェルスタッペンは予選Q2で発生した赤旗クラッシュの影響で、まさかの11番手敗退という結果に終わった。
トロロッソの二人も奮わず、ダニール・クビアトが12番手、アレックス・アルボンが14番手。ホンダ勢とは対照的に、今回はリカルドを筆頭にルノーエンジン勢が目覚ましいリザルトを残した。ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは7番手、マクラーレンのランド・ノリスが8番手に続き、カルロス・サインツが9番手。全4台がトップ10に進出した。
しかしながらレース後審議の結果、レーススチュワードは、アルボンの走行を妨害したとしてサインツに3グリッド降格処分とペナルティポイント1点を科す裁定を下した。
予選Q1:著しい路面インプルーブ
午前のFP3に引き続き、午後の現地モントリオール上空は晴れ渡り、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温21.6℃、路面45.3℃、湿度21.9%のドライコンディションでスタートした。
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は、地元出身のランス・ストロールが先陣を切る形でスタートした。FP3で発生したエンジントラブルを受けて、レーシングポイントはストロールのエンジンを古いスペックへと換装して予選に臨んだ。
路面は相変わらず埃っぽく、コンディション改善率が著しい状況であったため、各車1回のアタックで計測を終えることなくトラック上に留まり、最大3回程度タイム計測を行った。2セット目のアタックでは、全車自己ベストを大幅に更新。タイムシートが慌ただしく入れ替わる展開となった。
レーシングポイントとウィリアムズは2台がノックアウト。アルファロメオはアントニオ・ジョビナッツィが15番手ギリギリでQ2進出を果たした一方で、キミ・ライコネンが17番手で敗退を喫した。
ノックアウト
- セルジオ・ペレス(Racing Point)
- キミ・ライコネン(Alfa Romeo)
- ランス・ストロール(Racing Point)
- ジョージ・ラッセル(Williams)
- ロバート・クビサ(Williams)
予選Q2:戦略分断、赤旗の魔の手
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、メルセデスとフェラーリが中間コンパウンドのミディアムタイヤでコースイン。デグラデーションが大きいソフトでの決勝スタートを避けるべく、ライバルとは異なる戦略を取った。ルクレールは1回目のアタックでミスを喫し、1周のクールダウンラップを挟んで再度タイム計測した。
フェルスタッペンは最初のセットでミディアムを選択するも、トラフィックに引っかかった事もあり、トップからコンマ6秒遅れの暫定11番手と十分なタイムを刻めず、2度目のランでソフトに履き替えた。一方のガスリーは1セット目からソフトを履き、4番手タイムでQ2突破を果たした。
チェッカーフラッグ後、ハースのケビン・マグヌッセンが最終シケイン脇の”チャンピオンズ・ウォール”に弾き飛ばされ、半回転しながらピット側のコンクリート壁に激しく激突。マシンは右側を中心に大破し、ホームストレート上には大量のデブリが飛び散った。
この大きな事故によってセッションは赤旗終了となり、セクター2まで自己ベストを刻んでいたフェルスタッペンやハースのロマン・グロージャンらが計測を断念。無念の涙を飲む格好となった。オーバーテイク可能なコースとは言え、レッドブル・ホンダにとっては打撃。1発目にミディアムを履かせた采配の正当性に、疑問の声が上がる可能性もありそうだ。
マグヌッセンは10番手タイムでQ3進出を果たした形だが、セッションを続行することは出来ず、マシンの大掛かりな修復が必要な事から、日曜の決勝レースではピットレーンスタートが予想される。
ノックアウト
- マックス・フェルスタッペン(Red Bull)
- ダニール・クビアト(Toro Rosso)
- アントニオ・ジョビナッツィ(Alfa Romeo)
- アレックス・アルボン(Toro Rosso)
- ロマン・グロージャン(Haas)
予選Q3:ベッテルの好走にスタンドが歓喜
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、クラッシュにより走行不能に陥ったマグヌッセンを除く9台がコースイン。ボッタスは1セット目のアタックの際に、ヘアピンでリアを滑らせて壁に接触かけてノータイム。その結果、1回目のラップを終えてハミルトン、ベッテル、ルクレール、ガスリーの順に並んだ。
セッション残り2分を切ろうかというタイミングで全車最後のアタックに。まずはボッタスがタイム計測を行うも、焦りが出たか、全くまとめ切れずに6番手。その後、暫定1番手のハミルトンが自己ベストを更新するも、ラストアタッカーのベッテルが猛追。最後にトップの座を掠め取り、今季初のポールポジションを獲得。スタンドからは大歓声が上がった。
シーズン7戦目のF1カナダグランプリ決勝レースは、日本時間6月9日(日)27時10分からスタート。1周4,361mのジル・ビルヌーブ・サーキットを70周する事でチャンピオンシップを争う。
2019年F1第7戦カナダGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:11.200 | 1:11.142 | 1:10.240 | 22 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:11.518 | 1:11.010 | 1:10.446 | 21 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:11.214 | 1:11.205 | 1:10.920 | 22 |
4 | 3 | リカルド | ルノー | 1:11.837 | 1:11.532 | 1:11.071 | 20 |
5 | 10 | ガスリー | レッドブル | 1:12.023 | 1:11.196 | 1:11.079 | 17 |
6 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:11.229 | 1:11.095 | 1:11.101 | 19 |
7 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:11.720 | 1:11.553 | 1:11.324 | 21 |
8 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:11.780 | 1:11.735 | 1:11.863 | 20 |
9 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:11.750 | 1:11.572 | 1:13.981 | 19 |
10 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:12.107 | 1:11.786 | 15 | |
11 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:11.619 | 1:11.800 | 12 | |
12 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:11.965 | 1:11.921 | 17 | |
13 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:12.122 | 1:12.136 | 16 | |
14 | 23 | アルボン | トロロッソ | 1:12.020 | 1:12.193 | 16 | |
15 | 8 | グロージャン | ハース | 1:12.109 | 15 | ||
16 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:12.197 | 6 | ||
17 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:12.230 | 10 | ||
18 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:12.266 | 9 | ||
19 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:13.617 | 10 | ||
20 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:14.393 | 10 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 20℃ |
路面温度 | 45℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1カナダGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | ジル・ビルヌーブ・サーキット |
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設立 | 1978年 |
全長 | 4361m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |