ハミルトン、ウォルフの呼びかけに沈黙「そんなんじゃない」今季ベストの4位も全く満たされず
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6月9日(日)に行われたF1第9戦カナダGPでルイス・ハミルトン(メルセデス)は、2024年のベストリザルトとなる4位フィニッシュを果たしたものの、トト・ウォルフ代表の呼びかけに沈黙するなど一切、満足した様子はなく、レース後に自己批判を繰り返した。
1戦遅れで僚友ジョージ・ラッセルと同じアップグレードを手にしたハミルトンは、最終プラクティスでトップタイムを記録。ポールポジション争いに名乗りを上げた。
しかしながら、「ガレージから出るたびに、どういうわけか温度が低かった」と言い、予選になった途端にタイヤの温度があるべき数値より2、3℃低かったと説明し、これが足枷となって7番手に留まった。一方でラッセルはポールポジションを獲得した。
決勝では序盤にフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に前を塞がれ、我慢のレースを強いられたが、セーフティーカー(SC)の導入を機としたピットストップによりアロンソを逆転。2回目のSCでフリーストップを得て新品タイヤを手にすると、最終盤に向けて白熱のチーム内バトルを展開し、残り8周で表彰台圏内に浮上した。
ただ、残り2周を前にした最終シケインでラッセルにオーバーテイクを許し、2025年にフェラーリに移籍する7度のF1ワールドチャンピオンは4位でチェッカーを受けた。
ウォルフは無線を通して「ルイス、クルマがパフォーマンスを取り戻したのはポジティブだ。ここから頑張ろう」と声を掛けたが、ハミルトンがこれに応える事はなかった。
実際のレースを見ずに以下の映像を見たら、ハミルトンがリタイアしたものだと思うことだろうが、実際には今季ベストの4位でフィニッシュした。
レース後、表彰台には届かなかったものの、傍から見るとレースを楽しんでいたように見えたが?と尋ねられたハミルトンは「そんなんじゃなかった」と目線を地面に落とした。
「僕にとっては良いレースじゃなかった。これまでで最悪のドライブの一つだったように感じる。所々で速さがあったとは思うけど、結局のところ、僕にとってはかなり悪い週末だった」
「…予選で上手くやれず、挽回しようとしたけど、レースでは予想通り、長いことフェルナンドの後ろに留まる事になって、その後は勢いを失って、コースオフもあったし…」
「とにかく、クルマが進化しているのは前向きで、もし予選で本来の力を発揮できていれば優勝争いもできたと思う。…だから凄く悔しい」
厳しかったと振り返った予選から24時間を経て表彰台に接近した今の気分はどうか?との質問に対しては「あまり変わらないね。つまり…週末を通して兎に角、僕の方は本当に酷いパフォーマンスだった」と答えた。
ジル・ビルヌーブ・サーキットでのレースを経てドライバーズランキング8位のハミルトンは、69点で7位につけるラッセルとのポイント差が14点に開いた。メルセデスは、コンストラクターズ選手権3位マクラーレンから88点遅れの4位につけている。
2024年F1第9戦カナダGPでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季6勝目を上げた。2位はランド・ノリス(マクラーレン)、3位表彰台にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が滑り込んだ。
カタロニア・サーキットを舞台とする次戦スペインGPは6月21日のフリー走行1で幕を開ける。