メルセデス、黄金期フェラーリに並ぶ5年連続ダブルタイトルの快挙を達成「ハミルトンは完成されたドライバー」
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シーズン第20戦の地インテルラゴスは、メルセデスAMGペトロナスF1チームの5年連続のF1コンストラクターズチャンピオン制覇の偉業を讃えた。ルイス・ハミルトンは前戦メキシコGPで、ファン・マヌエル・ファンジオとミハエル・シューマッハに並ぶ5冠を達成しており、シルバーアローは5年連続でのダブルタイトルを成し遂げる事となった。
ハミルトンは前日の公式予選でポールポジションを獲得。決勝ではキャリア通算72勝目を挙げ、偉大な歴史の1ページに華を添えた。ハミルトンの勝利とバルテリ・ボッタスの5位入賞によって、シルバーアローは世界選手権ポイントを620に伸ばし、553ポイントに留まったスクーデリア・フェラーリに対し67点のリードを築き、今シーズンの選手権争いに終止符を打った。
5シーズン連続での選手権両部門を制覇によって、ハミルトン/メルセデスは黄金時代のミハエル・シューマッハ/フェラーリに肩を並べる事となった。
1.6リッターハイブリッド・ターボが導入され新たな時代が始まった2014年以降、メルセデスは負け無しの5連覇を達成。この間に行われた99回のグランプリレースの内、ハミルトンが勝ったのはなんと50回。勝率は驚異の50%に達する。
コンストラクターズの優勝杯を手にしたルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスとトト・ウォルフ代表
「このミッションを掲げた8年前、一体誰が両方の世界選手権を5回も制するなんて想像しただろうか?」トト・ウォルフ代表はこう問いかけ、次のように続けた。「当時そんな途方もない記録を語る人物がいたら、我々でさえ”クレイジー”な事を言うなと返しただろうね」
今シーズンは宿敵フェラーリが開幕2連勝を飾り、ハイブリッド・ターボ時代最も激しいチャンピオンシップバトルが繰り広げられた年だった。シーズン前半を終えた時点では、フェラーリが勝つかメルセデスが勝つかを予想するのは簡単ではなかった。技術部門を率いるジェームス・アリソンは、自分たちがフェラーリに競り勝ったのはハミルトンがいたからだと語る。
「今シーズンは一年に渡ってずっと、どちらが勝つのか分からない状況が続いていた。何度蹴落としても彼らは挽回し、我々を苦しめ続けた。今もそうだ。我々とフェラーリとの差は本当に僅かだったんだ」
「そのような状況の中、その僅かな差を大きく広げてくれたのがルイスだった。常にポールを目指し続け、我々がミスを犯せば思いもつかない形で巻き返してくれた。シーズンを通してミスを犯さずにね。まさに完成されたレーシングドライバーだよ。そんな彼と一緒に戦える我々は本当に幸運だ」
メルセデス:F1ブラジルGP決勝を終えて
ルイス・ハミルトン決勝: 1位, グリッド: 1番手
このチームの歴史は今も現在進行系で紡がれている。もし今日を限りにメルセデスと別れるとしたら、今日という日を、そしてこのチームの一員であった事を、僕は一生涯記憶ににとどめ続ける事だろう。今年は本当に厳しいシーズンだった。チーム全員が一丸となってこれまで以上に懸命に戦い続けた一年間だった。過去の成功を思えば油断して転落しても不思議じゃないのに。みんなは、これまで以上に高いハードルを掲げ続けた。
今日は本当に厳しいレースだったけど、なんとかしてチームに優勝を捧げたかった。チーム全員が”自分たちはワールドタイトルを取った”、”僕らはレジェンドなんだ”って想いを以て最終戦に向かい、そして冬を迎えるだろう。次に向かう素晴らしい連鎖反応になるはずだ。
チームの皆の一生懸命な仕事ぶりには本当に感謝してる。サーキットでもファクトリーでもそうだし、ペトロナスや他の全てのパートナー達もそうだ。このチームの一員であることを心から誇りに思う。ファクトリーに戻ったらどんな歓声が湧き上がるのか、考えるだけでソワソワしちゃうよ。すっごい雰囲気なんだろうね。
今日のレッドブルの連中は予想外だったよ。僕らと似たようなペースだと思ってたら本当に速くてさ。僕らは第一スティントでタイヤに苦労してたのに、彼らは上手くタイヤマネジメントしてた。次のスティントでミディアムタイヤに履き替えると、今度はエンジンに問題が出てしまい、フィニッシュする事だけに専念した。
マックス(フェルスタッペン)に追い抜かれたのは残念だったけど、その後にインシデントがあって突然ラップリーダーに戻ることになった。無線でエンジニアに「諦めたくないんだ。何をしたら良いか教えてくれ」って助けを求めて、その後は勝利のために必要なあらゆるリスクを背負い全力でプッシュし続けたんだ。ホント最高の気分だよ。この勢いのママ、次のレースでも優勝したいね。
バルデリ・ボッタス決勝: 5位, グリッド: 3番手
このチームの一員であることを誇りに思うし本当に嬉しい。ブラックリーやブリックスワースのファクトリーにいる皆、そしてトラック上で頑張ってくれているメンバー全員のハードワークの賜物だよ。彼らはこのタイトルに本当に相応しい!
スポットライトが当たるのは常に僅かな人達だけだけど、僕らのチームには隠れたヒーローがたくさんいる。みんなありがとう!押しつぶされそうな強大なプレッシャーを抱えても、僕らは一致団結してミスを最低限に抑えマシン開発で見事な仕事をやってのけた。みんなに心から賛辞を送りたい。
今日のレースにはちょっと手こずってしまった。レース序盤はリードを奪って全てが計画通りにいってたのに、だんだん厳しくなってきたんだ。最初のスティントではタイヤのオーバーヒートに苦戦し、次のスティントではミディアムにブリスターが出てしまい、結局2回目もピットストップしなきゃならなくなってしまった。
今日は十分なペースが無かったんだと思う。レース前は楽観的だったんだけど、蓋を開けてみたら予想していたよりもかなり厳しいレースになってしまった。そうは言っても、全体としてみれば今日はメルセデスにとって素晴らしい1日さ。
71周で争われた決勝レースでは、ルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを決め今季10勝目をマーク。メルセデスの5年連続となるコンストラクターズチャンピオンシップが決定した。2位はマックス・フェルスタッペン、3位はキミ・ライコネンという結果となった。