マクラーレン・ホンダ首脳陣、アロンソの走りを賞賛「野獣再び…まるで予選ラップ」F1ブラジルGP《決勝》

長谷川祐介とエリック・ブーリエcopyright HONDA

ホンダF1を統括する長谷川祐介とマクラーレンのチーム代表を務めるエリック・ブーリエが、12日(日)のフォーミュラ1世界選手権 第19戦ブラジルGP決勝を振り返ってコメントを発表した。

6周目にフェリペ・マッサに先行されたフェルナンド・アロンソは、その後90分間に渡って最後の母国レースを走るブラジリアンを猛追した。28周目にピットストップを行い新品のソフトタイヤに履き替えた時点でのマッサとのギャップは2.8秒、アロンソは残り42周に渡ってマッサを仕留めるべく攻め続け、チェッカーを受けた時には僅か100分の2秒にまで追い詰めた。オーバーテイクこそ叶わなかったものの、8位入賞を果たしチームにポイントを持ち帰った。

長谷川は、60度を超える路面温度の中で上手くタイヤをマネジメントし安定したスピードを見せたアロンソを評価した。ブーリエはアロンソを「競争的なアニマル」と評し、その独特な言い回しでレース展開を描写した。12番手スタートのストフェル・バンドーンは、オープニングラップでダニエル・リカルド(レッドブル)とケビン・マグヌッセン(ハース)に挟まれる形で行き場をなくしクラッシュ、1周も走りきる事なくレースを終えた。

F1ブラジルGP決勝を終えて

長谷川 祐介ホンダF1プロジェクト総責任者

今日は我々マクラーレン・ホンダにとって悪くないレースでした。フェルナンドはコース上でライバルとのエキサイティングなバトルを繰り広げました。P6からレースをスタートさせたフェルナンドは、高い気温にも関わらずタイヤをうまく管理し、レースの間一貫したペースをキープし続けました。マッサを追い抜いてポジションを上げられなかったのは残念ですが、実に素晴らしいパフォーマンスであり、チームにより多くのポイントを持ち帰ってくれました。

フェルナンドとは対照的に、ストフェルのレースは極めて残念なものとなってしまいました。彼は堅実な週末を過ごしてきましたが、全く責任がないにも関わらず1周も走りきることなくレースを終える事になりました。全体的に今週末はまずまずのものとなりました。パッケージは各セッション毎にそこそこの速さを示していましたし、チーム全員のハードワークに報いる4ポイントを得ることが出来ました。

マクラーレン・ホンダとしてのレースも残り1戦を残すのみです。パッケージからすべての可能性を引き出すために全力で取り組んでいきたいと思います。

エリック・ブーリエレーシングディレクター

今日のフェルナンドの走りは、彼が如何に競争的な動物であるかをタイムリーに思い出させるものでした。ストラテジストからマッサに対しての攻撃を許可された時、彼は各ラップをまるで予選ように冷徹に駆け抜け、1周毎にその差を詰めていきました。

例えパッケージの限界故にオーバーテイクが難しかったとしても、彼の走りを止められるものなどありはしないのです。もう後数周ありさえすれば、フェルナンドは追い抜いていただろうと確信しています。マシンコントロールは素晴らしく、その走りは激しく、そして観る物に最大限のスペクタクルを提供するものでした。ブラボー、フェルナンド!

ストフェルは信じられないほど不運に見舞われてしまいました。彼は素晴らしいスタートを切って前進していましたが、2コーナー出口でケビン・マグヌッセンが横から接触してきたのです。それは何の価値もない衝突であり、ストフェルは完全に犠牲者でした。


レースは、2番グリッドスタートのセバスチャン・ベッテルがポールのバルテリ・ボッタスを抜き去り優勝。予選ノータイム最後尾スタートのルイス・ハミルトンは、16台を追い抜く猛追をみせ4位入賞を果たした。路面温度は60度を超えていたが、タイヤのタレは少なく1ストップ作戦が主流となった。決勝の詳細は、2017年F1ブラジルGP決勝順位結果を参照されたい。

F1ブラジルGP特集

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