ラッセル、大胆戦略で「予想外」の逆転Vも規定違反で失格…僅か1秒差の表彰台争い / F1ベルギーGP 2024《決勝》結果と詳報

スパ・フランコルシャンを周回するジョージ・ラッセル、2024年7月26日F1ベルギーGPCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

2024年FIA-F1世界選手権第14戦ベルギーGPの決勝が7月28日(日)に行われ、予選6番グリッドのジョージ・ラッセルが賭けの1ストップ戦略を成功させ逆転のトップチェッカーを受けたが、車重規定違反により失格となった。

これによりメルセデスは1-2フィニッシュを失ったが、0.526秒遅れの2位ルイス・ハミルトンが昇格の今季2勝目、キャリア通算105勝目を飾った。角田裕毅(RB)は17位という結果だった。

44周のレースの3周目にトップに立ったハミルトンはイギリスGPに続く今季2勝目に向けて順風満帆のレースを戦ったものの、10周目に上位勢としていち早く最初にピットストップを消化したラッセルがまさかの1ストップ戦略を採ったことで、勝利の行方は全く分からなくなった。

タイヤ上のアドバンテージがあるハミルトンは終盤に向けてラッセルを猛追。残り4周で1秒以内に接近してDRSを手にしたものの、見事なマネジメントでタイヤを保たせたラッセルは決定的なチャンスを与えずチームメイトを抑え込み、今季2度目、キャリア通算3度目の勝利を掴んだかに思われた。

「今朝の戦略会議では全く予想していなかった勝利だ。チームの努力の賜物だ。ストラテジスト達が最高の仕事をしてくれた。クルマの感触は最高でペースもあった。誰もがこの勝利に値する」とラッセルは振り返った。

しかしながらレース終了から約90分を経てF1技術規定第4条1項違反の可能性が浮上。ラッセルの63号車W15が最低重量制限の798kgを1.5kg下回っていることが発覚し、約1時間に及ぶ調査・検討の末にスチュワードはラッセルに失格を言い渡した

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1ベルギーGPのドライバー別タイヤ戦略、2024年7月28日スパ・フランコルシャン

メルセデスとは異なり優勝候補の一角に挙げられていたマクラーレンは、オスカー・ピアストリがラッセルから1.173秒遅れの3位でフィニッシュ。2位に昇格したが、ピットボックスを超えて静止したことで約1.5秒を余計に失ったピットストップでのミスがなければ、結果は異なるものになっていたかもしれない。

もう1台のMCL38をドライブしたランド・ノリスは、スタート直後のラ・ソース(ターン1)でホイールを砂利に落として3つポジションダウンの7番手に後退。その後も最終シケインでロックアップを喫するなど、ミスが目立って6位(最終5位)に終わった。

予選最速を刻みながらも5基目のICE(内燃エンジン)投入により11番グリッドに着いたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、逆転優勝を果たした昨年や一昨年ほどの速さを見せることはできず、ポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)に続くトップから9秒遅れの5位でフィニッシュして昇格4位となった。

シート喪失が懸念されるセルジオ・ペレスは最前列2番グリッドに着いたものの、スタートの好位置を結果に繋げることはできなかった。残り6周でカルロス・サインツ(フェラーリ)に交わされ8番手にまで後退すると、フリーストップを使って残り2周でソフトタイヤに交換。7位入賞にファステストラップのボーナス1点を追加するのが精一杯だった。

中団でDRSトレインを先導したフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は8位となり、エステバン・オコン(アルピーヌ)は残り3周でダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)を交わして9位を獲得。ラッセルの失格によりリカルドが入賞圏内最後の一枠に滑り込んだ。

唯一、スタートタイヤにソフトを選んだ僚友リカルドとは異なり、順当なミディアムを履いて最後尾20番グリッドに着いたエンジン交換ペナルティの角田裕毅は、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)とニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を交わして16位でシーズン前半戦を締め括った。

周冠宇(ザウバー)は赤旗もセーフティーカー(SC)もないこの日のレースで唯一、完走できずにスパを去った。3周目にパワーを失い、その後、一旦はペースを取り戻したものの、クルマがシャットダウンしてブレーキを含む油圧系統が失われ、6周目にリタイヤした。

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F1ベルギーGPのコンパウンド別最多ラップと最速ラップタイム、2024年7月28日スパ・フランコルシャン

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F1ベルギーGPの気温及び路面温度の変化グラフ、2024年7月28日スパ・フランコルシャン

2024年F1第14戦ベルギーGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
DQ 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 44 1:19:57.040 0
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 44 +0.526s 25
2 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 44 +1.173s 18
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 44 +8.549s 15
4 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 44 +9.226s 12
5 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 44 +9.850s 10
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 44 +19.795s 8
7 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 44 +43.195s 7
8 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 44 +49.963s 4
9 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 44 +52.552s 2
10 3 ダニエル・リカルド RB ホンダRBPT 44 +54.926s 1
11 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 44 +63.011s 0
12 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 44 +63.651s 0
13 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 44 +64.365s 0
14 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 44 +66.631s 0
15 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 44 +70.638s 0
16 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 44 +76.737s 0
17 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 44 +86.057s 0
18 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 44 +88.833s 0
NC 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 5 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温21℃
路面温度42℃

セッション概要

グランプリ名 F1ベルギーGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 スパ・フランコルシャン
設立 1921年
全長 7004m
コーナー数 19
周回方向 時計回り

F1ベルギーGP特集

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