フェルスタッペン、”不本意な”不戦勝…レース開始を巡るFIAの判断を疑問視
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F1第12戦ベルギーGPを終えたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、レース開始を巡るFIAレースディレクター、マイケル・マシの判断に疑問を呈した。
セーフティーカー先導下での3周を経て、フェルスタッペンは混乱のスパ・フランコルシャンで今季6勝目を飾ったものの、それは本人をして決して誇れるものではなかった。
3時間超の赤旗中断によって天候は悪化傾向を辿り、レースは1度もグリーンフラッグを迎える事なく終了を迎えた。
フェルスタッペンはこの”不本意”な勝利によってドライバーズランキングでのルイス・ハミルトンとの差を3ポイントに縮めたが、レース後、FIAの誤った判断によってレースをするチャンスが失われたとの考えを示した。
「ポールポジションの獲得が決定的な意味を持つ事になったけど、きちんとレースできなかったのは本当に残念だ。僕は(現地)15時30分の時点で”よし、やろう”って言ってたわけだからね」
「(3時間超の赤旗再開後の)コンディションはまずまずだったと思うけど、本当に視界が悪い状態だった。15時にスタートしていたら、もっとチャンスがあったと思う。まぁ、雨はその後もずっと降り続いていたけどね」
「勝ちはしたけど、望んでいたような勝利じゃなかったのは確かだ」
当初の開始予定時刻から24分遅れというタイミングで最初にコースインした際、フェルスタッペンはチーム無線を通して「僕的には(レースを開始してもらって)問題ない。路面は濡れてはいるけどレースに支障はない」と語っていた。
なおピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは、グリーンフラッグ下でのレースが叶わなかった最大の問題は「視界の悪さ」にあったと説明した。
「フルウェットタイヤは時速300kmでの走行中、1秒間に約85リットルの水を排出できるが、その水はどこか他の場所に行く事になる」
「その結果、セーフティーカーの背後には前代未聞の水しぶきが上がり、ドライバーの視界を奪うという危険な状態を作り出す事になってしまった」
「また今回のように高低差のあるコースでは、アクアプレーニングの危険性が高まる水たまりが特定の場所にできてしまうという問題もあった」
8月29日(日)にスパ・フランコルシャンで行われた2021年F1第12戦ベルギーグランプリ決勝レースは、雨の影響で3時間超の赤旗中断を強いられ、1度もグリーンフラッグが振られる事なく終了を迎えた。
この結果、ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がスパ初優勝を飾り、2位にジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)、3位にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは9月3日のフリー走行1で幕を開ける。