ホンダF1、PUモード見納め戦で3台入賞「綿密なシミュレーションの上、次戦モンツァに挑みたい」

戦況を見守るホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、2020年F1ベルギーGPにてcopyright Red Bull Content Pool

8月30日(日)に行われたF1第7戦ベルギーGP決勝を終えて、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターがレース内容と週末を振り返り、次戦への意気込みを語った。

ホンダエンジン勢最上位は、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン。メルセデスに及ばないながらも後続を一切寄せ付けない走りを披露し3位でチェッカーフラッグを受け、6戦連続となる表彰台を獲得した。

Pos Driver Team Laps Time PTS
3 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 44 +15.455s 15
6 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 44 +42.712s 8
8 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 44 +47.371s 4
11 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 44 +70.200s 0

チームメイトのアレックス・アルボンは、打倒ダニエル・リカルド(ルノー)をターゲットにレースに臨んだものの、これを脅かすような場面は一度も作れず、ファイナルラップのケメルストレートでエステバン・オコン(ルノー)に抜かれ6位に後退した。

アルファタウリのピエール・ガスリーは、早期のセーフティーカー導入より戦略が上手く噛み合わなかったものの、鋭いオーバーテイクを幾度となく重ねて8位フィニッシュを果たし、この日のDriver of the Dayに選出された。ダニール・クビアトは惜しくも11位に留まったが、ホンダ勢としては3台が入賞を飾る結果となった。

1週間後に控えるモンツァでのF1イタリアGPからは、これまでとは異なり自由にエンジンモードを切り替える事が出来なくなる。週末を通して許可されるのは単一のモードとなるため、事前シミュレーションの精度の高さが求められる。

ホンダ:F1ベルギーGP決勝を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日のベルギーGP決勝では、ホンダ製F1パワーユニットを搭載する4台のうちの3台が入賞し、まずまずの結果となりました。フェルスタッペン選手は、タイヤの劣化が厳しい終盤に上手くペースをコントロールしながら、3位でフィニッシュ。6戦連続となる表彰台を獲得してくれました。

チームメートのアルボン選手も、トラフィックに阻まれる難しい状況でのレースとなりましたが6位で入賞しました。ただ、最終周でポジションを落としたことには悔しさを感じています。

グリッド上で唯一ハードタイヤを履いてスタートしたスクーデリア・アルファタウリのガスリー選手は、セーフティカー中にピットインせずに他のマシンとは異なる戦略を選択し、数々のオーバーテイクで8位入賞となりました。レースを通して非常に力強い走りをしていたので、展開次第ではもう少し上の順位も狙えたのではと思っています。

クビアト選手も粘り強くレースを続けましたが、惜しくもポイント圏外の11位という形になりました。

次週からはイタリアでモンツァ、ムジェロの2連戦を迎えます。PUモードの使用制限という新たな制約下での初めてのレースとなりますので、パワーユニットの使い方などのシミュレーションを十分に行った上で戦いに臨みます。


8月30日(日)にスパ・フランコルシャンで行われた2020年F1第7戦ベルギーグランプリ決勝レースでは、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを飾り、今季5勝目を挙げた。2位はバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3位表彰台にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が上がった。

F1ベルギーGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了