信じ難い信頼性不足…ラスト3周でダブル入賞を奪い去ったルノーエンジン「心が折れそうだ」とリカルド
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2019年第2戦バーレーンGP決勝レースで、またしてもルノー製パワーユニットにトラブルが発生。看過できない信頼性不足が露呈した。ダニエル・リカルドが10番手、ニコ・ヒュルケンベルグが6番手を走行し、ダブルポイントに向けて奮闘していたルノーであったが、チェッカーフラッグ目前の残り3周というところで、信じ難い事に2台が同時にリタイヤを喫した。
それはほぼ同時に発生した。2台のR.S.19がホームストレート終端でパワーを喪失。リカルドの方はMGU-Kが原因と判明しているが、ヒュルケンベルグの方が同じ問題であったかどうかは不明。ただしそれを脇に置いたとしても、エンストンのチームにとっては悪夢以外の何物でもないレースの結末であった。
リカルドは「心が折れそうだよ。残り数周というところで、チームとして2台を同時に失ったんだからね」と語り、がっくりと肩を落とした。リカルドはグリッド上で唯一ワンストップを採用。デグラデーション故に終盤のパフォーマンス低下は著しく、ズルズルとポジションを落としていた。
「後から考えれば2ストップの方が良かったんだと思う」とリカルド。「終盤はポジションを守れず、ライバルに追い抜かれてしまった。悲しいことに、本当はもっと戦いたかったんだけど、そうする事が出来なかった」
「MGU-Kのトラブルだった。今週末は浮き沈みが激しく色んな事が起きたレースウィークだった。僕よりもニコの方がより残酷だっただろうね。彼のレースは順調だったから。僕の方はワンストップを取った時点で既に厳しかったからさ」
「本当に突然ドライブが失われたんだ」とヒュルケンベルグ。「特に何も前兆はなかった。多分パワートレイン関連の問題だと思うけど、現時点では確信は持てない」
「17番手から6番手に挽回してたんだから凄く良いレースだったのに。止まるまでは本当に本当に楽しいレースだった。たくさんバトルしたし何度もオーバーテイクしたしね。でも残念な事に、フィニッシュラインをくぐり抜ける事が出来なかった」
ドライバーに非はなかった。ルノーのパワーユニットは前戦オーストラリアでも問題を抱えており、マクラーレンのカルロス・サインツのリタイヤを引き起こしている。バーレーン予選でも電気系統のトラブルが発生。確実視されたヒュルケンベルグのQ3進出を妨害した。
「最悪のシーズンスタートだ」とシリル・アビテブール代表。「予選では電気系統のマイナートラブルが発生し、かなりの妥協を強いられた。そのせいで2台が損失を被った」
「今日はフィニッシュまで後少しというところで突然レースの幕を下りてしまった。これらの問題はこれまでに見舞われてものではあるが、その場では解決できない種類のものだった」