アレックス・アルボン、最高位タイの4番手…事故から24時間で状況を好転「決勝ではメルセデスを苦しめてやりたい」
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レッドブル・ホンダのアレックス・アルボンは痛恨のクラッシュから24時間を経て行われた11月28日のF1バーレーンGP公式予選で、自己予選最高位タイの4番手グリッドを獲得。見事挽回してみせた。
初日金曜日2回目のフリー走行でスピンを喫したアルボン。RB16はターン15外側のバリアに激突し、見るも無残な姿に変わり果てた。メカニック達は2日目に向けてモノコックを交換し、シャシーの再構築を強いられたが、アルボンは彼らの努力に応える結果を残した。
Q3を終えたアルボンは「公平を期して言えば、昨日と比べて今日は驚くほど速かった。24時間前の状況を考えれば4番手が良い結果である事は明らかだと思う。でも、それでももう少し(前の3台)近づきたかった」と語った。3番手に付けたチームメイトのマックス・フェルスタッペンとのギャップは0.596秒に達していた。
シートを失いかねない状況の中でのミスであっただけに、何よりも懸念されたのは自信の喪失だった。クラッシュの影響について聞かれたアルボンは次のように答えた。
「走行時間を失ってしまったし、もちろん、FP3の序盤は少し自信もなくしていた。でもマシンは最初から好調だったんだ」
「予選に関しては少し苦労したけど、セッションを通して少しずつタイムを削っていて、Q3に進んだ頃には調子を取り戻す事が出来ていた」
「安牌を切ってQ2でソフトを2セット使った事で、Q3でのタイム計測のチャンスは1回しかなかったから、ラップを完璧にまとめるには至らなかった」
「それでも4番手だし、明日は良いスタートを切ってメルセデスの悩みの種になりたいね」
日曜のレースで最前列からスタートするルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスのピットストップ・ウインドウ内を維持して走行できれば、メルセデスの戦略の幅を狭める事ができる。これはチャンピオンシップを争う上でアルボンに課された絶対的使命だが、これまでのところその役割を全うできていない。
クラッシュによる悪影響は、マシンを作り上げるために「莫大」なコストを要したという事に留まらない。アルボンはロングランを消化できておらず、チームとしても期待していた程のデータを集める事が出来なかった。
「僕はロングランをこなせていないから、明日については様子を見守らなきゃならない」とアルボン。
「マックスの走行データを見た感じだと、デグ(デグラデーション)が信じられないほど酷かった。それはQ3に向けて誰もがソフトタイヤでタイムを残そうとしなかった事からも明らかだ。どうなるか興味深いね」
バーレーンのレースは、来季シート獲得に向けて自身の存在価値を示すために残された3回しかないチャンスの内の1回だ。アルボンは「決勝では中団グループの集団から上手く抜け出し、自分たちのレースをして先頭のメルセデス勢を苦しめてやりたいと思っている」と付け加えた。
2020年F1バーレーン・グランプリ決勝レースは、日本時間11月29日(日)23時10分にスタート。1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。