一体何が?ザウバー、3戦連続のピットストップ失態で謝罪…苛立つボッタス 泣きっ面に蜂の罰金処分。1戦で計58.41秒をロス
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F1第3戦オーストラリアGPでザウバーはまたも、ピットストップで致命的な失態を演じた。周冠宇は35周目のピットストップで20.20秒、バルテリ・ボッタスは8周目のストップで31.18秒もの静止時間を強いられた。
チームとしては1レースで計58.41秒。1-2フィニッシュを飾ったフェラーリの計9.66秒と比べるまでもなく、途方もないタイムを失っている事は明白だ。これではレースにならない。
ザウバーのドライバー達がピットストップで致命的なロスに見舞われるのは開幕3戦連続だ。バーレーンGPではボッタスのタイヤ交換に52.44秒、サウジアラビアGPでは周冠宇のタイヤ交換に28.71秒を要した。
ボッタスが14位、周冠宇が15位に終わったアルバート・パークでのレースを経て、チーム代表を務めるアレッサンドロ・アルンニ・ブラービは「ドライバー達、特にバルテリに謝らなければならない」と謝罪した。
「彼は良いスタートを切って力強いペースを発揮し、レースの序盤にトップ10のドライバーに匹敵する走りを見せた。ポイント争いをしていたのは明らかだった」
「(トラブルがなければ)レース終盤にはツノダと同じあたりの位置につけていただろう。ポイント獲得の大きなチャンスを失ったのは明らかだ」
ボッタスはピットストップで最後尾に転落するまで10番手を走行していた。
ホイールナットに注目が集まっているが、単にナットを改善すれば良いという話ではない。
アルンニ・ブラービによると、ザウバーはピットストップの高速化に向けて「ハブ、ナット、その他のあらゆるコンポーネントを再設計し、機器も変更」したものの、その設計に問題があることが判明した。
再度、設計し直すなど対策を進めているが、製造などに時間がかかるとしていただけに、3戦連続での失態は悪い意味で驚きではなかった。
ただし、ボッタスが今回、見舞われた問題は「関連はあるものの、バーレーンやサウジアラビアで起きたものとは少し異なる」という。
ピットストップでタイムを大幅に失ったのはボッタスだけではないが、問題の種類は異なる。
アルンニ・ブラービは、周冠宇がレースを通してギアボックスに問題を抱えていたと明かし、ピットインした際にギアが入らずストールしたのだと説明した。
ザウバーのフラストレーションを更に募らせる事件もあった。ファストレーンにホイールナットが転がり落ちた事で、スチュワードから5,000ユーロ(約82万円)の罰金を科せられたのだ。
ボッタスは、ピットストップまでは「本当に順調」だっただけに、トラブルがなければ「8位か9位」が手に届くはずだったとして「苛立たしい」と率直な感想を口にしたが、同時に「ピットクルーにできる事は何もない」とも述べ、問題はあくまでも技術的なものだと強調した。