アルファタウリ指揮官、噂のコルトン・ハータについて「見たこともない」と素っ気なし…ガスリーの去就と角田裕毅の将来語る
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オスカー・ピアストリ問題が決着をみた事でパドックの関心は必然的にアルファタウリに向く事になる。囁かれるピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍、後任として突如浮上したコルトン・ハータ、そして角田裕毅の去就。
人事権が自身にないのだから当然と言えば当然ではあるが、アルファタウリの指揮官、フランツ・トスト代表は2023年のドライバーラインアップに関して徹頭徹尾、無関心を装う。
前日の契約承認委員会(CRB)裁定を経てフランツ・トストはF1オランダGPの舞台、ザントフォールトでメディアから来季ドライバーラインアップを巡る数々の質問を受けた。だが、口を開いても一言、二言で、コルトン・ハータに関しては実にそっけない答えを返す。
66歳のチーム代表はかつてカナダGPの際に、ガスリーが2023年もアルファタウリで出走する事は間違いないとしていたが、今でもそれは変わっていないのだろうか?
フランツ・トストは「ああ、彼はスクーデリア・アルファタウリとの契約を持っている」と答えた。
ライバルチームへの移籍のためにガスリーが現行契約から開放される事はあるのかとの質問に対しては「それはレッドブルが決める事だ」と返した。
つまり現状では、2023年のドライバーズラインナップはガスリーと角田裕毅で変わらないということなのだろうか? フランツ・トストは「現時点ではそうだ」といたずらな笑みを浮かべた。
アルピーヌがガスリーを求めてレッドブルに接触している事は既に明らかとなっており、全ての人事を取り仕切るヘルムート・マルコは条件次第で現行契約から解放する用意がある事を認めている。
ガスリーの後任候補にはアンドレッティ・オートスポーツから米インディカーに参戦するコルトン・ハータの名が取り沙汰されている。ハータの発言からは、来季アルファタウリのリストに載っている事は殆ど疑いない様子だ。
伊ファエンツァのチームとアメリカ人F1ドライバーと言えば、かつてトロロッソと呼ばれていた時代にフォーミュラ・マツダ等、米国でのキャリアの後に渡欧し、F1デビューの切符を手にしたスコット・スピードが思い浮かぶ。
また、アメリカンモータスポーツ界からの起用としては、2004~2007年のチャンプカー4連覇という成績を引っ提げ欧州に戻ってきたセバスチャン・ブルデーが挙げられる。
ただ、2人のドライバーはいずれもヘルムート・マルコら首脳陣の期待に応える事ができず、シーズン途中に解雇される結末を迎えた。
コルトン・ハータの来季F1デビューに向けた最大の難関はスーパーライセンスだ。現時点では明らかにポイントが不足しており要件を満たしていない。
ただそれは、ジュニアシリーズであるF2と同じポイント配分が設定されている事に依るところが大きい。F2とインディカー・シリーズの競争レベルが同じだと信じる者はパドックには見当たらない。そもそも両者は位置づけが異なる。
だが実際問題、ハータはスピードやブルデーと同じ様に欧州でのレース経験が豊富であるとは言い難い。フランツ・トストはハータがスーパーライセンスに値するドライバーだと見ているのだろうか?
そう問われたフランツ・トストは「レッドブルがどのドライバーを寄越したとしても私は気にしない。私の仕事はドライバーの教育だ。そういう事だ。(イタリア語で)もうたくさんだ。誰でも良い」と答えた。
そして質問者に対して「ひょっとしたらレッドブルはキミにオファーを出すかもしれないよ」と冗談を飛ばした。
なおコルトン・ハータのドライビングについて意見を求められると「彼のことは知らないし、(彼のレースは)見たこともない」とそっけなく答えた。これには隣にいたウィリアムズのヨースト・カピートCEOも思わず笑みをこぼした。
もしチームの大黒柱であるガスリーが去り、角田裕毅が残留する事になれば、代わってチームを引っ張っていかなければならないのは角田裕毅だ。
角田裕毅にリーダーシップの素質はあるのだろうか? そう問われたトストは「まずはレッドブルが彼のドライブを正式発表する必要がある」と返して「クルマが十分に良ければイエスだ」と付け加えた。