物議のフェルスタッペン降格処分、ベテラン2名から”物言い”―公平性を巡りアロンソ皮肉
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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がF1カタールGPで科された1グリッド降格ペナルティについてフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、この決定が「国籍」に影響された可能性があると主張した。
デレク・ワーウィックを含む4名の競技審判団は、予選中に不必要に低速で走行してジョージ・ラッセル(メルセデス)の走行を妨害したとして、トップタイムを刻んだフェルスタッペンにペナルティを科す決定を下した。
一件を巡ってフェルスタッペンは、スチュワードに「嘘」をついて自身を「陥れよう」としたとしてラッセルを非難し、対するラッセルは「お前の頭を壁に叩きつけてやる」とフェルスタッペンから脅迫されたと主張するなど、両者の亀裂は深まっている。
カタールでの1グリッド降格ペナルティについて、通算400戦を超えるキャリアを持つアロンソはアブダビGPの開幕を前に、例えば仮に自身がラッセルの立場であった場合、フェルスタッペンにペナルティが科されることはなかったのではと疑っている。
「あるルールやペナルティが適用される際、それが次のレースでも同じように適用されるわけではないように感じることがある。時には国籍に左右されているように見える」とアロンソは語った。
また、「もし僕が(ラッセルと)同じ立場であったなら、おそらくジョージが得たような優遇的な決定は下されなかっただろうね」と皮肉交じりに笑った。
今年4月のオーストラリアGPでは、接触が発生していなかったにもかかわらず、ラッセルがクラッシュを喫した際、その前方を走行していたアロンソに「潜在的に危険」なドライビングがあったと判断され、ドライブスルー・ペナルティに加えて3点のペナルティポイントが科された。
アロンソはこの件について触れ、「例えばオーストラリアでは、30メートルも離れた場所を走行していて、接触すらしていないのに僕にペナルティが科された。時々、もし立場が逆だったら、つまり自分が相手側だったら、果たして同じ扱いを受けていたのだろうかと疑問に思うことがある。僕が言いたいのはそういうことだ」と語り、公平性に対する疑念を示した。
アロンソは以前から、スチュワードが英国人ドライバーに有利な判断を下す傾向があると度々批判してきた。しかし、今回のペナルティについてはアロンソだけでなく、他のベテランドライバーからも疑問の声が上がっている。
13シーズンの経験を持つニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は、コースが混雑するのは容易に想定できたとして、ラッセルは余裕を持って準備ラップに取り組むべきだったと考えている。
「あの時はみんながそれぞれ、違う状況で走行していたから、容易に混乱が起きる状況だった。でも僕らドライバーはそのことを理解しているし、それを考慮に入れて少し余裕を持つべきだったと思う」とヒュルケンベルグは語った。
「マックスがどうしてあそこでペナルティを受けたのか、僕には理解できない」