ベッテルはまだF1チャンピオンを獲得できる、とアルファタウリ代表
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セバスチャン・ベッテルが今季を以てF1を退くのか、はたまた現役を続行するのかはまだ明らかになっていないものの、アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表は、適切なマシンパッケージさえあればドイツ人ドライバーはタイトル獲得数を更に増やせると考えている。
かつてスクーデリア・トロロッソと呼ばれていたファエンツァのチームのボスは、チーム史上初となるポールポジションと優勝をもたらしてくれたベッテルの才能を今も固く信じて疑わない。トロロッソでの活躍が認められ、レッドブルへと昇格したベッテルがその後、2010年から2013年までタイトルを総なめにした事は誰もが知る話だ。
だが4連覇達成の翌年、新たにチームに加わったダニエル・リカルドに敗れてフェラーリに移籍したベッテルは、マラネッロに栄光の日々を取り戻すべく汗を流すも、ハイブリッド時代の王者メルセデスとの競争力ギャップは大きくルイス・ハミルトンに破れ続け、昨シーズンは新たなチームメイトとなったシャルル・ルクレールの後塵を拝した。
フランツ・トストはF1公式サイトのインタビューに応じ、ベッテルが今シーズン末を以てフェラーリを去る事について「物事の終わりというものは常に、何かの始まりを意味している」と語り、次のように続けた。
「どのシートを手に入れるかに依存するが、セバスチャン・ベッテルは今もチャンピオンシップを掛けて戦うことが出来るドライバーだ。」
「トップ3チームのいずれかの席を得ることができれば、彼にはレースで勝つチャンスがあるし、もう1度チャンピオンシップを制するチャンスもある。私はセバスチャンをよく知っている。これが彼の第1目標だと私は確信している」
「彼はただ単にスターティング・グリッドに立てれば良いと思うドライバーではない。レースをする以上は勝利したいと思うドライバーだ。目標を達成出来るかどうかは、彼がどれだけ材料を揃えられるかにかかっている」
「金銭面を理由にレースを続ける必要はないだろう。チャンピオンを獲得したドライバーはあまりお金の事を考えたりはしない。彼らのモチベーションは金ではなくレースに勝つこと、そして成功することにある」
「彼はまだ32歳だし、非常に高いスキルを持つドライバーだ。正しいパッケージを手に入れれば、つまりフェラーリかレッドブル、もしくはメルセデスに乗れれば、今もレースに勝つ事が出来るだろうし、更に多くのチャンピオンシップを勝ち取る事も出来るだろう。実際にそれを達成できるかどうかはどのチームでドライブするかに依存する」
レッドブル・ホンダがマックス・フェルスタッペンのチームメイトにベッテルを選ぶ事は考えにくく、実際にクリスチャン・ホーナー代表やヘルムート・マルコら首脳陣は、コスト及びフェルスタッペンとの組み合わせを理由として起用の可能性を除外している。
メルセデスに関しては、トト・ウォルフ曰くジョージ・ラッセルの動向次第で俎上に載る可能性があるとの事だが、強く期待できる状況とは思えない。ベッテルがフェラーリを飛び出した決断は誤りだったのだろうか? ヘルムート・マルコはそうは考えていない。
ベッテルの才能を見出してF1へと引き上げたレッドブルの人事責任者はこの程、オーストリア放送協会とのインタビューの中でフェラーリ離脱の決断について「正しい事をしたと思う。彼はもう既にフェラーリで気分良く仕事が出来ていなかったし、望んでいたサポートも得られていなかった。中途半端な気持ちで留まる必要はあるまい。それに彼は4度のワールドチャンピオンであり十分に稼いでいる」と語り、支持している。