ウィリアムズとのアルボンのF1契約、メルセデス押しのPU秘密保持条項は未確定?
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アレックス・アルボンとウィリアムズとの契約の詳細は未だ確定しておらず、メルセデスが主張する”非常に厳格で明確”な秘密保持条項(NDA)が実際の契約書に盛り込まれるのかどうかはまだ不透明なようだ。
イタリアGP前にウィリアムズは、ジョージ・ラッセルの後任としてレッドブル・ホンダのリザーブ兼開発ドライバーを務める25歳のタイ人ドライバーとの契約を発表した。
当初アルボンのウィリアムズ入りは困難かと思われていた。英国グローブのチームはメルセデスHPP製のF1パワーユニット(PU)を搭載しており、メルセデスはレッドブル・ファミリーのアルボンが自社のPUをドライブする事を嫌っていた。
アルボンがウィリアムズと契約を結べば、ライバルのレッドブルがPUに関する企業秘密情報へのアクセス手段を得てしまう…というわけだ。
だがモンツァでの契約発表を経て、メルセデスのトト・ウォルフ代表はウィリアムズとアルボンの契約について、パワーユニットの知的財産権に関する”非常に厳格で明確”な秘密保持条項が含まれており、懸念は解消されたと説明した。
また、ウィリアムズのヨースト・カピートCEOも「2022年のアレックスは100%ウィリアムズのドライバーであり、それによって多くの懸念が解消された」と述べ、トト・ウォルフの説明を追認した。
しかしながら英Autosportによると当のアルボンは「正直なところ、全く分からない」「まだそれに関しての話はないし、契約関連の話し合いは今も進行中なんだ」と述べ、”非常に厳格で明確な条項”が何を意味しているのかは現時点で定まっていないと主張している。
ヨースト・カピートの説明によれば、少なくとも来年1年間はレッドブル・ホンダとの繋がりが絶たれるわけだが、その関係性が完全に失われる事は考えにくい。
エナジードリンク企業としてのレッドブルはアルボンと同じタイ創業家の支配下にあり、ユーウィッタヤー家はこれまでレッドブルやアルファタウリ(旧トロロッソ)を通じてアルボンのキャリアを支援し続けてきた。ウィリアムズでの復帰に際しても同家の圧力があり、契約には金銭パッケージが付帯しているとの噂もある。
そのため「100%」との説明にも関わらず、2022年のウィリアムズのF1マシンにはレッドブルのブランディングが施されるのではと言った見方もある。
この点についてアルボンは、契約の詳細はまだ決まっていないとの主張を繰り返した上で、仮に何らかのブランディングがあったとしても自身のヘルメットにレッドブルのロゴが入る位だろうと述べ、その可能性を否定している。