フェルスタッペン、”メルセデスの苦手を全撤去した”新生ヤスで最速発進!角田は5番手 / F1アブダビGP《FP1》結果とダイジェスト

晴天に恵まれたヤス・マリーナ・サーキット、2021年12月10日F1アブダビGPフリー走行1にてCourtesy Of Alpine Racing

20カ国、9ヶ月間に渡る21レースを経て、遂に2021年シーズンのF1世界選手権最終第22戦アブダビGPが12月10日に開幕を迎え、オランダ史上初のF1チャンピオンを目指すマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が日本時間18時30分からの金曜1回目のフリー走行を制した。

2番手はバルテリ・ボッタス、3番手にはフェルスタッペンと同一の369.5ポイントでタイトルを争うルイス・ハミルトンのメルセデス勢が各々コンマ2秒、コンマ3秒落ちで続いた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

改修工事を終えたばかりのヤス・マリーナ・サーキットを周回するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年12月10日F1アブダビGPフリー走行1にて

フェルスタッペンはステアリングのセンターがズレているとして「ドライブするのが本当に大変だからピットに入った時に直せるよう準備しといて」と無線で注文を入れる場面があったが大きな問題とはならず、第2・3セクターで全体ベストを刻んで最速発進を決めた。

ヤス・マリーナ・サーキットは本大会に向けてコース改修が行われ、全長は5,281mへと273m短くなった。第1・3シケインは各々ヘアピンに変更され、ラップの終盤、ヤス・マリーナ・ホテルの周りの4つのタイトコーナー(ターン17~20)にも手が加えられた。トラック・リミットはターン7、ターン15・16の出口に設定された。

フェルスタッペンが今回記録した1分25秒009は、昨年のFP1で自らが刻んだファステストと比べ、12秒369速かった。

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は新たなコースレイアウトについて「まるでメルセデスの嫌いなコーナーを全て取り除いたかのようだ」と冗談を飛ばした上で「セクター2はメルセデス、セクター3はレッドブル、そしてセクター1はどっこいどっこいという感じかな」と語った。

ラストランを迎えるホンダF1パワーユニット勢はフェルスタッペンと同じくRB16Bを駆るセルジオ・ペレス(レッドブル)が4番手、角田裕毅が僚友ピエール・ガスリーを0.444秒抑えて5番手と、全車がトップ7に並んだ。

金曜の現地ヤス島は快晴に恵まれ、セッションは気温27℃、路面温度39℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは昨年と同じ最も柔らかいレンジのC3からC5までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。

タイトルドラマの裏で、今週末は幾つかの別れがある。キミ・ライコネンはアルファロメオでの3年間、デビュー20年を経てF1での現役生活にピリオドを打つ。またチームメイトのアントニオ・ジョビナッツィも契約を失いフォーミュラEへと転向する。

ボッタスはメルセデスでの5年間を経てアルファロメオへ。ジョージ・ラッセルは3年間を共に過ごしたウィリアムズを離れ、シルバーアローへと向かう。

ライコネンはランド・ノリス(マクラーレン)と同じ様に、追い抜きの鍵を握るであろう新たなターン9でコース外に飛び出る場面があったが、最終的にジョビナッツィに0.22秒差をつけて13番手でクルマを降りた。

ラッセルはFP1をジャック・エイトケンに譲った。韓国とイギリスの2重国籍を持つ26歳は、レギュラードライバーのニコラス・ラティフィを1000分の6秒上回る17番手と、昨年のサクヒールGP以来、約1年ぶりのF1マシンにも関わらず印象的な走りを見せた。

各車が新しいコースレイアウトの習熟のために精力的に周回を重ねる中、唯一、アルピーヌのエステバン・オコンがメカニカルトラブルを抱えた。とは言え、問題のギアシフトは深刻なものではなく25周を重ね、6番手と上位につけた僚友フェルナンド・アロンソから0.4秒落ちの11番手につけた。

アブダビGPはトワイライトレースとなるため、予選・決勝と似通ったコンディションで行われるのはFP2のみ。序列を判断するには時期尚早だ。アブダビGPの2回目のフリー走行は、日本時間10日(金)22時から1時間の日程で開催される。

2021年F1第22戦アブダビGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:25.009 23
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:25.205 +0.196 27
3 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:25.355 +0.346 25
4 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:25.363 +0.354 24
5 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:25.378 +0.369 23
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:25.625 +0.616 26
7 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:25.822 +0.813 28
8 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:25.846 +0.837 20
9 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:25.886 +0.877 26
10 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:26.007 +0.998 26
11 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:26.025 +1.016 25
12 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:26.123 +1.114 26
13 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 1:26.189 +1.180 25
14 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:26.409 +1.400 25
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:26.608 +1.599 26
16 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:26.676 +1.667 29
17 89 ジャック・エイトケン ウィリアムズ・メルセデス 1:27.481 +2.472 27
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:27.487 +2.478 27
19 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:27.698 +2.689 24
20 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:28.305 +3.296 22

コンディション

天気晴れ
気温27℃
路面温度39℃

セッション概要

グランプリ名 F1アブダビGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 ヤス・マリーナ・サーキット
設立 2009年
全長 5281m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

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