アルファタウリ撃退のために”身を挺した”サージェント、来季未定…ウィリアムズの7位防衛戦に貢献
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コンストラクターズ選手権7位を巡るアルファタウリとウィリアムズの争いは後者に軍配が上がった。決戦の舞台となったヤス・マリーナ・サーキットで注目を集めたのは角田裕毅だが、ローガン・サージェントもまた人知れず、身を挺してレースを戦っていた。
ウィリアムズ勢がノーポイントと仮定した場合、アルファタウリはF1アブダビGPで1台が6位以上でフィニッシュするか、あるいは2台で7位と9位を獲得する必要があった。
ウィリアムズはアレックス・アルボンが14位、サージェントが16位と無得点に終わった。ただ、それでもアルファタウリを退けるには十分だった。ダニエル・リカルドはポイント圏外11位に終わり、角田裕毅も8位と目標に届かなかった。
サージェントは予選で一度もタイムを残せず最下位20番グリッドに着いた。ポイント加算はそもそも、あまり期待できなかった。ウィリアムズはレース展開を踏まえ、ポイントの獲得ではなく、アルファタウリの得点を妨害する守りのアプローチを採った。
15番手からスタートしたリカルドは、ブレーキダクトに捨てバイザーが詰まる不運に見舞われ7周目の終わりにピットに入った。その後、31周目に2回目のピットストップを消化してコースに戻ると、その前方5秒の位置にサージェントがいた。
サージェントもまた、ちょうどタイヤ交換のタイミングを迎えていた。自らのリザルトを最大化するためにはすぐにでもピットに入る方が好ましかったが、敢えてステイアウトを選択し、32周目から38周目の7ラップに渡ってリカルドの前進を防いだ。
レースを終えたサージェントは「正直に言うと、ダニー(リカルド)をできるだけ長く抑えるために、敢えて最適な戦略を採らなかったんだ」と説明した。
「数周に渡ってダニーを引き止めてチームに貢献できた事を誇らしく思う」
39周目にリカルドに先行を許して役目を終えたサージェントはその後、新品のハードタイヤに履き替えるために最後のピットストップを行った。
「フレッシュなハードタイヤを履いた終盤のレースは楽しかった。立て続けに予選ラップを走っているかのようだったね」とサージェントは語る。
「個人的に言えば、今週末も好調だったんだ。昨日は不運にもトラックリミットがあったけど。でも、レースでもう一度、力強いペースを見せる事ができて良かった」
サージェントは唯一、2024年の契約を持たないレギュラードライバーだ。
F1でのルーキーシーズンと将来の見通しについて尋ねられるとサージェントは「厳しい時もあれば、良い時もあった。特にシーズン後半に向けては勢いを見つける事ができた」と語った。
「レースペースはグッと上向いてきたし、予選ペースもまとまりつつある。あとは毎週末、ポテンシャルを引き出して結果に繋げる。それに尽きるね」
「次のステップは、それを一貫して続けていくことだね。先のことについては様子を見守ることになるけど、1年を通して巻き返し、途中で諦めなかった事を誇りに思ってる」
「厳しい時は何度もあった。それでも歩みを進め、改善し続けてきた。こんなにも素晴らしいチームに恵まれるなんて最高だ」
11月26日(日)にヤス・マリーナ・サーキットで行われた2023年F1第23戦アブダビGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを以て今季19勝目を挙げ、記録ずくめの支配的なシーズンを締め括った。
ポストシーズン・テストと、プレシーズン・テストを経て、2024年シーズンは97日後にバーレーンで開幕を迎える。